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ホルムズ海峡はどこの国のもの?

ホルムズ海峡はどこの国のもの?

はじめに

中東情勢の緊張が高まる中、「ホルムズ海峡はどこの国のものなのか?」という疑問を持つ人が増えています。特にイランによる事実上の封鎖が問題になるたびに、この海峡の法的地位や国際的な扱いが大きな関心を集めます。

ホルムズ海峡は、世界のエネルギー輸送の要所であり、日本を含む多くの国にとって極めて重要な海上交通路です。もしこの海峡が機能しなくなれば、世界の石油市場や物流に大きな混乱が生じる可能性があります。

そのためニュースなどで「ホルムズ海峡封鎖」という言葉が出ると、世界中の政府や企業が緊張することになります。本記事では、ホルムズ海峡の地理的位置、沿岸国、そして国際法上の扱いについて、分かりやすく詳しく解説します。

ホルムズ海峡の位置

 

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾(アラビア海)を結ぶ海峡です。中東の産油国から世界へ石油を輸送するための「出口」にあたる場所であり、世界でも最も重要な海上交通路の一つとして知られています。

海峡の幅は場所によって異なりますが、最も狭い部分ではおよそ40kmほどしかありません。さらに実際に大型タンカーが通る航路はもっと狭く、限られた航行ルートを利用する必要があります。

海峡の北側にはイラン、南側にはオマーン(飛び地であるムサンダム半島)とアラブ首長国連邦があります。つまりホルムズ海峡は、ペルシャ湾の入り口に位置し、地理的にも軍事的にも非常に重要な場所にある海峡なのです。

つまり、ホルムズ海峡は一つの国が所有しているわけではなく、複数の国に囲まれている海峡であり、世界中の船舶が利用する国際的な航路でもあります。

ホルムズ海峡の沿岸国

ホルムズ海峡の沿岸には主に次の国があります。

  • イラン(北側)
  • オマーン(南側)
  • アラブ首長国連邦(南西側)

このうち、海峡の大部分はイランとオマーンに挟まれた形になっています。特に南側のオマーンは、ムサンダム半島という飛び地によって海峡に面しています。

この地域は歴史的にも戦略的に重要な場所であり、長い間多くの国が影響力を争ってきました。現在でもイラン革命防衛隊やアメリカ海軍などが周辺海域で活動しており、軍事的な緊張が高まりやすい地域となっています。

国際法では誰のもの?

それでは、国際法の観点から見るとホルムズ海峡はどの国のものなのでしょうか。

国際法では、海峡は基本的に沿岸国の領海に含まれる場合があります。つまり、海峡の水域そのものは沿岸国の領海として扱われることがあります。

しかし、ホルムズ海峡のように「国際航行に使用される海峡」は特別な扱いを受けます。

これは国連海洋法条約(UNCLOS)で定められており、「通過通航権」という重要な概念が存在します。

通過通航権とは、すべての国の船舶や航空機が海峡を継続的かつ迅速に通過できる権利のことです。軍艦や商船、タンカーなどもこの権利に基づいて航行することができます。

つまり、沿岸国が海峡の近くに存在していても、完全に自由に航行を禁止したり封鎖したりすることは国際法上認められていないとされています。

イランは封鎖できるのか

では実際のところ、イランはホルムズ海峡を封鎖できるのでしょうか。

2026年3月時点の最新状況でいうと、この問いへの答えは「すでに深刻な航行妨害が起きており、通常の意味での自由航行は大きく損なわれている。ただし、すべての船が完全に一律通行不能になったという意味での全面閉鎖とはまだ言い切れない」です。

ロイターによると、イランはホルムズ海峡に約12個の機雷を設置したとされ、アメリカ軍は機雷敷設に関与した船舶16隻を攻撃したと説明しています。また、タンカーや商船への攻撃が相次ぎ、ハパグロイドのコンテナ船が飛翔体の破片を受ける事案も報じられました。

その結果、タンカーの通航は急減し、多くの海運会社や荷主が航行回避を進めています。ロイターは、湾岸諸国の輸出が大きく止まる一方で、イラン産原油の一部はなお通過していると報じています。さらに、インド政府筋は、インド船籍タンカーについてはイランから通航容認の説明を受けたとしています。

つまり現状は、「海峡全体が法的に完全閉鎖された」というより、「イランが攻撃、機雷、威嚇、選別的通航容認を組み合わせ、他国船の通常運航を著しく困難にしている状態」と整理するのが実態に近いです。実務上は、すでに事実上の封鎖、あるいは極めて強い制限状態とみなしてよい局面に入っています。

もっとも、国際法の観点ではホルムズ海峡は国際海峡であり、通過通航権が認められています。そのため、イランが正式に全面封鎖を宣言すれば、国際法上も政治上もさらに重大な対立を招きます。実際には、正式宣言の有無よりも、現場で船が安全に通れないこと自体がすでに世界経済に深刻な打撃を与えています。

世界の石油輸送の要所

ホルムズ海峡が重要視される最大の理由は、石油輸送です。

世界の海上輸送される石油の約20%が、この海峡を通過すると言われています。これは世界最大級のエネルギー輸送ルートの一つです。

サウジアラビア、イラク、クウェート、アラブ首長国連邦、カタールなどの産油国の石油や天然ガスが、この海峡を通って世界各国へ輸出されています。

特に日本、韓国、中国などのアジア諸国は中東からの原油輸入に大きく依存しているため、ホルムズ海峡の安全はエネルギー安全保障に直結しています。

そのため、この海峡で緊張が高まると、すぐに世界の原油価格が上昇することがよくあります。

日本への影響

もしホルムズ海峡が長期間封鎖された場合、日本には次のような影響が考えられます。

  • 原油価格の急騰
  • ガソリン価格の上昇
  • 電気料金の上昇
  • 海運コストの増加
  • 物流コストの上昇

日本は原油の多くを中東地域から輸入しているため、ホルムズ海峡の安全は日本経済と密接に関係しています。

そのため日本政府は、緊急時に備えて大量の石油備蓄を保有しています。国家備蓄と民間備蓄を合わせると、数か月分の石油を確保できる体制が整えられています。

また、海上自衛隊が中東海域で情報収集活動を行うなど、航行の安全確保にも関与しています。

まとめ

ホルムズ海峡は特定の国のものではなく、イランとオマーンなど複数の国に囲まれた国際海峡です。

地理的には沿岸国の領海が関係しますが、国際法上は「国際航行に使用される海峡」として扱われ、すべての国の船舶に通過する権利が認められています。

しかし実際にはイランが海峡の北側を広く支配しているため、政治や軍事の緊張が高まると航行に影響が出る可能性があります。

そのためホルムズ海峡の安全は、中東情勢だけでなく世界経済やエネルギー安全保障にとって非常に重要な問題であり、今後も国際社会の大きな関心事であり続けるでしょう。

 

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