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軍民両用品の例

軍民両用品の例

軍民両用品とは?身近な製品から先端技術までわかりやすく

ニュースで「軍民両用品(デュアルユース)」という言葉が出てくると、半導体やレアアースのような“難しい分野だけ”の話に見えがちです。しかし実際は、ふだんの生活で使う製品や部品・ソフトウェアにも「民生にも軍事にも転用できる」ものが数多く存在します。

本記事では、報道で焦点になった軍民両用品の輸出規制という文脈を踏まえつつ、軍民両用品の具体例を「なるべく具体的に、ただし危険な作り方は書かない」範囲で整理します。


軍民両用品(軍民両用品)とは?

軍民両用品(デュアルユース)とは、民間用途(産業・研究・生活)に広く使われる一方で、軍事用途にも転用できる物品・ソフトウェア・技術のことです。

  • 📌 「用途」だけでなく「誰が使うか(需要者)」も重要になることが多い
  • 📌 仕様(性能)・数量・提供方法(輸出、技術提供、クラウド、共同研究など)で扱いが変わり得る

たとえば、民間の測量・物流で使うドローン技術が、偵察・監視に転用される可能性がある――このような「転用可能性」がポイントです。


なぜニュースで問題になるのか:輸出規制が狙うポイント

報道で取り上げられる輸出規制は、単に「特定の国へ全部止める」という単純な話ではなく、一般に次のような観点で運用されることが多いです。

  • 🧭 最終用途(エンドユース):軍事目的か、軍事力向上に資するか
  • 👤 最終需要者(エンドユーザー):軍・軍需企業・関連機関か
  • ⚙️ 性能・仕様:一定以上の精度・出力・処理能力など
  • 🔁 迂回(第三国経由)や再輸出:横流し・転売のリスク

このため、同じ「民生品」に見えても、相手先・用途・性能によって「軍民両用品」として扱われ、輸出許可が必要になったり、禁止対象になったりします。


軍民両用品の例(一覧):身近なもの〜先端分野まで

ここからは、軍民両用品をカテゴリー別に例示します。表の右側は「軍事転用の可能性」を示すだけで、危険な作り方や具体的手順は扱いません。

1)電子機器・部品(半導体、センサー、通信)

品目例 民生での代表例 軍事転用のイメージ
半導体(ロジック/メモリ/アナログ等) スマホ・家電・車載ECU・工場自動化 レーダー/通信/無人機/演算基盤などに転用され得る
高性能GPU/AIアクセラレータ 生成AI・画像解析・研究開発 画像識別・監視・指揮統制などの高度化に結びつき得る
慣性計測装置(IMU)・ジャイロ ドローン、スマホの姿勢検知、産業ロボット 航法・誘導・姿勢制御への転用可能性
高感度カメラ/CMOSセンサー 監視カメラ、医療、車載カメラ 偵察・監視用途に使われ得る
赤外線・サーマルカメラ 設備点検、建物診断、災害救助 夜間監視・目標の探知に転用され得る
暗号・認証技術(ソフト/機器) オンライン決済、VPN、企業ネットワーク 秘匿通信・セキュアな指揮系統に結びつき得る
GNSS(衛星測位)受信機・補正技術 カーナビ、測量、農業(自動運転トラクタ) 精密航法・運用の高度化に転用され得る

2)材料(レアアース、合金、複合材、化学品)

品目例 民生での代表例 軍事転用のイメージ
レアアース(希土類) スマホ・モーター・EV・風力発電・磁石 無人機・各種電子機器などの重要部材になり得る
高強度アルミ/チタン/特殊鋼 航空機部材、医療機器、産業設備 耐久・軽量が求められる装備や機材に使われ得る
炭素繊維・複合材料 スポーツ用品、航空・自動車、産業用途 軽量高強度が必要な構造材への転用可能性
高性能電池(リチウム系、固体電池など) EV、蓄電池、携帯端末 電源の高性能化が運用能力向上に結びつき得る
一部の化学原料・前駆体(工業用) 農業・医薬・素材・工業プロセス 用途次第で規制対象になり得るため要注意

3)製造装置・工作機械(「作れる力」はそのまま能力になる)

品目例 民生での代表例 軍事転用のイメージ
高精度工作機械(NC旋盤、5軸加工機など) 自動車・航空・医療機器部品の加工 精密部品の製造能力向上に直結し得る
半導体製造装置・検査装置(露光・成膜・計測など) 半導体の量産、品質管理 先端チップ製造能力の底上げに結びつき得る
3Dプリンタ(産業用) 試作、治具、部品の短納期製造 部品調達・補修の柔軟性を高め得る
材料試験・計測機器(高精度) 品質保証、研究開発 高性能材料の開発・評価能力に影響し得る

4)航空・宇宙・海洋(移動・観測・運用の基盤)

  • 🛰️ 衛星関連:地球観測データ、姿勢制御部品、通信機器などは、災害対策や農業にも役立つ一方で、監視・偵察にも結びつき得ます。
  • 🚁 無人機(ドローン):物流・測量・点検に使われる一方、監視・偵察用途に転用される懸念が議論されます。
  • 🌊 海洋観測機器:海底地形・潮流・音響測定は研究・防災にも重要ですが、用途によって扱いが変わることがあります。

5)研究・バイオ・医療(「善意の技術」ほど転用が難しい)

  • 🧪 実験装置(高性能分析機器など):創薬や材料研究に不可欠で、用途次第で規制の議論対象になります。
  • 🧫 培養・検査関連の機器:感染症対策や医療に貢献する一方、取り扱い分野によっては安全保障上の観点が生じます。

「軍民両用」と言われやすい“身近な例”5つ

  1. スマートフォン:高性能カメラ、測位、暗号、センサーの集合体。
  2. 自動運転・先進運転支援(ADAS):センサー融合、画像認識、通信。
  3. 産業用ドローン:点検・測量・災害対応に有用だが、用途次第で扱いが変わる。
  4. 工場の自動化(ロボット・制御機器):生産性向上は民生の競争力だが、能力移転の論点になることがある。
  5. 高性能バッテリー:モビリティや防災の要だが、運用能力にも影響し得る。

企業・研究者・個人が気をつけたいポイント(一般論)

  • ✅ 相手先と用途の確認:取引先が誰で、最終的に何に使われるのか。
  • ✅ 仕様(スペック)の把握:性能しだいで規制対象になることがある。
  • ✅ 書類と説明責任:見積・契約・出荷・技術提供の履歴は重要。
  • ✅ 第三国経由の再輸出リスク:迂回取引は大きなコンプラ問題になり得る。
  • ✅ 迷ったら専門家へ:社内の輸出管理部門、行政窓口、法律・貿易の専門家に早めに相談。

※本記事は一般的な解説であり、特定の取引や法的判断を示すものではありません。実務では国・地域ごとの法令、社内規程、個別許可の要否などを確認してください。


まとめ:軍民両用品は「身近」だからこそ、線引きが難しい

軍民両用品(軍民両用品)は、私たちの生活や産業を支える重要な技術・製品と表裏一体です。だからこそ、国際情勢の緊張が高まると、半導体・レアアース・製造装置のような分野を中心に、輸出管理や規制強化が議論されやすくなります。

ポイントは、品目そのものだけでなく、最終用途・需要者・性能という観点で見ていくこと。ニュースを読むときも、ビジネスや研究を進めるときも、この“ものさし”を持っておくと理解が一気に深まります。

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