「高い土地のくらし」は、小学校5年生の社会で学ぶテーマの一つです。
日本には、海に近い低い土地だけでなく、山の近くや高原のように、標高が高い場所にも人々が住んでいます。
標高とは、海の高さを0メートルとして、そこからどれくらい高い場所にあるかを表すものです。
たとえば、山のふもとや高原は、平地よりも標高が高くなります。標高が高い土地では、気温が低くなりやすく、夏でもすずしいことがあります。
では、そのような高い土地では、人々はどのようなくらしをしているのでしょうか。
この記事では、群馬県の嬬恋村(つまごいむら)や長野県の野辺山原(のべやまはら)を例に、高い土地のくらしについて、わかりやすく説明します。

高い土地とは、まわりの平地よりも標高が高い場所のことです。
山地や高原などが、その代表的な例です。
高い土地には、次のような特徴があります。
このような自然条件は、人々のくらしや産業に大きく関係しています。
「自然条件」とは、気温、雨、雪、地形、土の性質など、その土地にもともとある自然の特徴のことです。
高い土地に住む人々は、この自然条件に合わせて、農業や観光などの仕事を工夫してきました。

高い土地がすずしいのは、標高が高くなるほど気温が下がりやすいからです。
山に登ると、ふもとよりも空気がひんやりしていると感じることがあります。これは、高い場所では気温が低くなりやすいためです。
そのため、平地では夏に暑くなりすぎる時期でも、高原ではキャベツやレタスなどの野菜を育てやすいことがあります。
また、夏でもすずしい気候は、観光にも生かされています。
暑い町からすずしい高原へ旅行に行く人もいます。高原は、避暑地(ひしょち)としても利用されてきました。
避暑地とは、暑い季節にすずしさを求めて人々が訪れる場所のことです。

高い土地のくらしを学ぶとき、よく取り上げられる地域の一つが、群馬県の嬬恋村です。
嬬恋村は、群馬県の北西部にある高原の村です。標高が高く、夏でもすずしい気候が特徴です。
嬬恋村で特に有名なのが、キャベツづくりです。
嬬恋村は、夏から秋にかけて出荷されるキャベツの産地としてよく知られています。広い畑にキャベツが一面に広がる景色は、嬬恋村を代表する風景です。
では、なぜ嬬恋村ではキャベツづくりがさかんなのでしょうか。
大きな理由は、すずしい気候がキャベツづくりに合っているからです。
キャベツは、暑すぎる場所では育てにくい野菜です。夏に気温が高くなりすぎると、よいキャベツをつくるのがむずかしくなります。
しかし、嬬恋村は標高が高いため、夏でも比較的すずしいです。そのため、平地では暑すぎる時期でも、キャベツを育てることができます。

嬬恋村の農家の人々は、高い土地の自然条件を生かしながら、キャベツづくりを行っています。
たとえば、次のようなくふうがあります。
キャベツは、収穫したあとも新鮮さが大切です。
そのため、農家や農協では、収穫したキャベツをできるだけよい状態で市場に届けるためのくふうをしています。
高い土地で育てた野菜を、東京などの大きな町へ運ぶことで、多くの人が新鮮なキャベツを食べることができます。
このように、嬬恋村では、すずしい気候と広い土地を生かして、キャベツづくりがさかんになりました。

もう一つ、高い土地のくらしでよく取り上げられる場所が、長野県の野辺山原です。
野辺山原は、八ヶ岳(やつがたけ)の近くにある高原です。標高が高く、夏でもすずしい気候です。
野辺山原では、レタス、キャベツ、はくさい、だいこんなどの高原野菜がつくられています。
高原野菜とは、高原のすずしい気候を生かして育てられる野菜のことです。
野辺山原では、昔から今のように高原野菜づくりがさかんだったわけではありません。
かつては、寒さや土地の条件のため、農業に苦労した時代もありました。しかし、人々はその土地に合った作物を探し、すずしい気候に合う野菜づくりを進めてきました。
その結果、野辺山原は高原野菜の産地として知られるようになりました。

高い土地で農業をするよさは、すずしい気候を生かせることです。
平地では夏に気温が高くなりすぎるため、レタスやキャベツなどを育てにくいことがあります。
しかし、高い土地では夏でもすずしいため、こうした野菜を育てやすくなります。
また、昼と夜の気温差が大きいことも、野菜づくりに役立つことがあります。
昼に太陽の光を受けて育ち、夜に気温が下がることで、野菜が引きしまったり、味がよくなったりすると考えられています。
高い土地の農家の人々は、このような気候の特徴をよく知り、それを農業に生かしています。

高い土地のくらしには、よいことだけでなく、大変なこともあります。
たとえば、冬の寒さです。
高い土地では、冬になると気温がとても低くなります。雪が降る場所もあり、農作業ができる時期が限られることがあります。
また、山に近い場所では、平らな土地が少ないこともあります。畑を広げるためには、土地を整えたり、道路をつくったりする必要があります。
さらに、野菜を大きな町へ運ぶためには、交通の便も大切です。
昔は、道路や鉄道が十分に整っていなかったため、育てた作物を遠くへ運ぶのが大変でした。
しかし、道路や鉄道、トラック輸送が発達したことで、高い土地で育てた野菜を大都市へ届けやすくなりました。
このように、高い土地の人々は、大変な条件を乗りこえながら、くらしや産業を発展させてきました。

高い土地では、農業だけでなく観光業もさかんです。
夏でもすずしい高原は、避暑地として人気があります。暑い町からすずしい場所へ行きたい人々が、高原を訪れます。
また、高い土地には、山、草原、森、川、湖など、美しい自然が多くあります。
そのため、次のような観光が行われています。
夏はすずしい気候を生かした観光、冬は雪を生かしたスキーなどの観光が行われることがあります。
高い土地の人々は、自然を守りながら、その土地ならではのよさを観光に生かしています。

高い土地のくらしを理解するためには、低い土地のくらしと比べてみるとわかりやすくなります。
| 比べること | 高い土地のくらし | 低い土地のくらし |
|---|---|---|
| 気候 | 夏でもすずしい。冬は寒い。 | 夏は暑くなりやすい。 |
| 農業 | キャベツ、レタスなどの高原野菜がさかん。 | 米づくりやさまざまな野菜づくりが行われる。 |
| 観光 | 避暑地、スキー、キャンプなどがある。 | 海、川、町の観光などがある。 |
| 大変なこと | 冬の寒さ、雪、交通の不便さなどがある。 | 暑さ、水害、土地利用の問題などがある。 |
このように、土地の高さによって、気候や産業、くらし方にはちがいがあります。
大切なのは、どちらがよい、悪いということではありません。
人々は、それぞれの土地の自然条件に合わせて、くらしを工夫しているのです。

高い土地のくらしを学ぶときに大切なのは、「自然条件をどのように生かしているか」という見方です。
高い土地は、寒さがきびしい、雪が多い、平らな土地が少ないなど、くらしにくい面もあります。
しかし、その一方で、夏でもすずしい、自然が豊か、景色が美しいというよさもあります。
嬬恋村や野辺山原の人々は、そのよさを農業や観光に生かしてきました。
たとえば、すずしい気候を生かして高原野菜を育てたり、美しい自然を生かして観光客を迎えたりしています。
つまり、高い土地のくらしとは、自然に合わせて生活し、自然のよさを仕事にも生かすくらしだと言えます。
学校のワークシートで「高い土地のくらし」についてまとめるときは、次のように書くとわかりやすいです。
高い土地では、夏でもすずしい気候を生かして、キャベツやレタスなどの高原野菜を育てています。群馬県の嬬恋村ではキャベツづくりがさかんで、長野県の野辺山原ではレタスなどの高原野菜がつくられています。また、高い土地では、すずしい気候や美しい自然を生かして、避暑地、スキー、キャンプなどの観光業も行われています。高い土地の人々は、寒さや交通の不便さなどに対応しながら、自然条件を生かしてくらしています。
もう少し短くまとめるなら、次のようになります。
高い土地の人々は、夏でもすずしい気候を生かして高原野菜を育てたり、自然を生かして観光業を行ったりしています。自然条件に合わせて、農業やくらしを工夫していることがわかります。
最後に、「高い土地のくらし」で大切なポイントを整理します。
小学校5年生の社会では、「高い土地のくらし」を通して、自然条件と人々のくらしや産業の関係を学びます。
単に「嬬恋村ではキャベツが有名」「野辺山原ではレタスが有名」と覚えるだけではなく、なぜその土地でその産業が発達したのかを考えることが大切です。
ポイントは、次の流れで考えることです。
この流れをつかむと、「高い土地のくらし」の学習内容が理解しやすくなります。
高い土地の人々は、自然のきびしさにただ困っているだけではありません。その土地のよさを見つけ、農業や観光に生かしながら、くらしを成り立たせているのです。
高い土地のくらしでは、標高が高いことによるすずしい気候が、人々の生活や仕事に大きく関係しています。
群馬県の嬬恋村では、夏でもすずしい気候を生かしてキャベツづくりがさかんです。長野県の野辺山原では、レタスなどの高原野菜づくりが行われています。
また、高い土地では、すずしい気候や美しい自然を生かして、観光業も発展しています。
高い土地には、冬の寒さや交通の不便さなどの大変さもあります。しかし、人々は自然条件に合わせて、農業や観光、くらし方を工夫してきました。
「高い土地のくらし」とは、その土地の自然をよく知り、自然のよさを生かしながら生活する人々のくらしなのです。