2026年2月8日の衆議院選挙で自民党は大勝し、高市早苗首相(総裁)のもとで政権基盤が一気に強固になりました。こうした状況で焦点になりやすいのが、安全保障政策の「見直し余地」があるテーマです。
その代表格の一つが、**非核三原則(核兵器を「持たず・つくらず・持ち込ませず」)**です。高市首相は、政府として三原則を堅持しているとしつつも、番組発言などで「見直しの可能性」を明確に否定しない場面があり、議論が再燃しています。
本記事では、非核三原則の基本から、高市政権下で「何が変わり得て、何が変わりにくいのか」を、できるだけ分かりやすく整理します。
非核三原則は、日本の核政策を語るうえでの土台です。
日本は唯一の戦争被爆国であることもあり、歴代政権はこの三原則を「国是」として扱ってきました。
誤解されやすい点ですが、非核三原則は一般的な意味での「法律条文」ではなく、政府の政策方針としての位置づけが中心です。
ただし、「国会で確認された経緯」もあり、政治的・社会的に重い意味を持ちます。実務上も、外交・防衛の説明の軸として使われ続けてきました。
ここが一番重要です。
高市首相周辺の発信は、ざっくり言うと次の“二枚看板”になっています。
この“同居”が、支持者には「現実主義」、反対側には「国是の揺らぎ」に見えやすく、論争が起きます。
「非核三原則を見直す」と言っても、実は複数のレベルがあります。
たとえば、安全保障関連文書や政府説明での書き方を変える、というタイプです。
このレベルなら、政治の意思と文書作業で進み得るため、議論が生じやすい領域です。
非核三原則の中でも、現実の安全保障と衝突しやすいと言われるのが「持ち込ませず」です。
ここに踏み込むと、国内政治だけでなく、対米関係・近隣外交・被爆地世論まで連動します。
議論としては出やすい一方、実行段階に移すには障壁が多いテーマです。
「議論をする」ことと「制度化する」ことは別物であり、ここを混同すると話が荒れます。
結論から言うと、一足飛びに“撤廃”のような形になる可能性は高くありません。理由はシンプルで、コストが大きいからです。
一方で、**「言葉」「文書」「説明の重心」**が動く可能性はあります。
ここからは、論点整理としての見立てです。
核抑止(拡大抑止)は「ある」と言うだけでなく、同盟の運用・意思決定・危機時の連携で信頼性が左右されます。
高市政権が強調しやすいのは、
といった“現実の脅威”の側面です。
「国民の命か、原則か」という二項対立の形は、政治の言葉としては分かりやすい反面、議論を極端にしがちです。
ただ、こうした言い方が出る背景には、危機シナリオの深刻化があります。
高市政権下で非核三原則が「どうなるのか」を追うなら、次のポイントが実務的です。
同じ政府でも、言い回しが微妙に変わると“方向感”が透けます。
自民党が単独で大勝していても、党内には多様な立場があります。
この綱引きの結果が「言葉」に出ます。
非核三原則は、簡単に消えるものではありません。日本の歴史的立場、国内世論、外交的コストが大きいからです。
一方で、高市首相の発信の特徴は、
という点にあります。
したがって、今後注目すべきは「非核三原則を廃止するのか」という極端な問いより、
という“実務の言葉の変化”です。
すぐにそうなるわけではありません。三原則の「文言」や「説明」が変わっても、核保有には法制度・技術・外交・財政など別次元のハードルが山ほどあります。
政治的には最も揉める領域です。国内の説明責任が一気に重くなり、被爆地世論や外交への影響も大きくなります。
安保関連文書の改定と、首相・官房長官・外相の公式答弁の言い回しです。ここが最も正確に“政府の現在地”を示します。