Japan Luggage Express
Japan Luggage Express Ltd.

反乱法・過去

反乱法・過去

反乱法(Insurrection Act)発動の過去の事例

米国の「反乱法(Insurrection Act)」は、合衆国内で軍(正規軍・連邦化された州兵など)を投入できる例外的な権限として知られています。ニュースで「反乱法を発動する可能性」といった表現が出るたびに注目されますが、実際には発動(適用)された歴史的事例が多数あり、その多くは「州の統治機能が揺らぐ規模の暴動」「連邦法の執行が妨げられる状況」「公民権(人権)の保護」などが背景にありました。

この記事では、「反乱法 過去」というテーマで、歴代の発動例を年代順に整理 Remember:(※「最後の発動」は一般に1992年のロサンゼルス暴動対応とされます)。


1. そもそも反乱法とは?(超要点)

  • 反乱法は、1790年代~19世紀に成立・改正された国内軍派遣の規定群を指し、現在は米国法(U.S. Code)で整理されています。
  • 原則として米国内で軍を警察活動に使うことは抑制されますが(「民警団法=Posse Comitatus」の考え方)、反乱法はその代表的な例外です。
  • ざっくり言えば、以下のような場合に「軍の投入」が可能になります。
    • 州の要請(州知事等)により秩序回復を支援する
    • 連邦法の執行が妨害され、通常の手段で機能しない
    • 住民の権利保護・大規模暴動鎮圧などが必要

ポイント:反乱法は「いつでも軍を出せる万能カード」ではありませんが、条文の言い回しが広めで、政治的にも法的にも議論を呼びやすい法律です。


2. 反乱法の発動回数はどれくらい?

一般的な整理では、反乱法はおよそ30回(30件前後)、複数の大統領によって適用・発動されてきたとされます。

ただし「どこまでを反乱法の“発動”として数えるか」は資料により差が出ます。

  • 例:命令や布告(proclamation)まで含めるか、実際の部隊投入まで含めるか
  • 例:州兵の連邦化(federalization)を反乱法に基づくものとしてカウントするか

本記事では、主要なリスト(研究機関の整理、政府記録、歴史資料)で繰り返し挙がる代表例を中心にまとめます。


3. 年代別:反乱法の主な発動(適用)事例一覧

以下は「代表例」を年代で並べた早見表です(※厳密な法的根拠の条番号や布告番号は資料で確認してください)。

3-1. 1800年代前半:連邦法の執行・暴動鎮圧

年代 大統領(主に) 場所 背景・目的(要約)
1808年ごろ トマス・ジェファソン 北東部(国境地域など) 通商政策(禁輸措置)違反への対応・連邦法執行
1831年 (時期により複数) バージニア州など 奴隷反乱(代表例:ナット・ターナーの反乱)後の治安対応
1830年代 アンドリュー・ジャクソン等 いくつかの州・地域 暴動や衝突に絡む治安回復(個別事案)

 

この時代の特徴は、現代の「移民」や「公民権」よりも、連邦法の執行・地域暴動の抑え込みが主目的になりやすい点です。


3-2. 1861年:南北戦争(米国史上最大級の“内乱”)

年代 大統領 場所 背景・目的
1861年 エイブラハム・リンカーン 全米(主に南部) 南北戦争(州の離脱・反乱の鎮圧、連邦の維持)

南北戦争期は、反乱法が語られるとき必ず触れられる象徴的な時代です。


3-3. 1870年代:再建期(Reconstruction)と白人至上主義勢力への対応

年代 大統領 場所 背景・目的
1871年 ユリシーズ・S・グラント 南部各州 クー・クラックス・クラン(KKK)などの武装・暴力への対抗、黒人市民の権利保護
1870年代前半~後半 グラント等 ルイジアナ、サウスカロライナ等 選挙後の暴力、クーデター的行動、州政府機能の危機への対応

 

再建期は、反乱法が「秩序回復」だけでなく、憲法上の権利(とくに投票権・安全保障)を守る手段として機能した点が重要です。


3-4. 1877年~1920年代:労働争議・ストライキ(産業化のひずみ)

年代 大統領(代表) 場所 背景・目的
1877年 ラザフォード・B・ヘイズ 複数州 大規模鉄道スト(Great Railroad Strike)鎮圧
1894年 グロバー・クリーブランド等 複数州 プルマン・スト(Pullman Strike)への対応
1914年 ウッドロウ・ウィルソン コロラド州 炭鉱スト(労働争議が暴力化)への対応
1921年 ウォレン・G・ハーディング ウェストバージニア州 ブレア・マウンテン(労働蜂起)への対応

 

この時代の反乱法は「労働運動の大規模化」とセットで語られがちです。

  • 連邦としては「交通・郵便・州際通商」などのインフラを守る名目が取りやすい
  • 一方で、労働者側からは「国家が資本側に肩入れした」と批判されることもありました

3-5. 1932年:ボーナス・アーミー事件(“違法適用”として語られる例)

年代 指揮官(大統領ではない) 場所 背景・目的
1932年 ダグラス・マッカーサー(陸軍) ワシントンD.C. 第一次大戦退役軍人の「ボーナス支給要求」デモの強制排除(違法適用とされる)

 

このケースは「大統領の正規手続きではない」「過剰な武力行使」といった論点で、後世の議論で頻繁に引用されます。


3-6. 1943年:デトロイト暴動(人種暴動)

年代 大統領 場所 背景・目的
1943年 フランクリン・D・ルーズベルト ミシガン州デトロイト 人種暴動の鎮圧・治安回復

 

第二次大戦期の国内緊張(雇用・人口移動・差別)が背景にあるとされます。


3-7. 1957~1967年:公民権運動(学校統合・投票権・暴動)

ここは反乱法史の中でも特に重要な時代です。

1957年:リトルロック(アーカンソー州)

  • 州が学校統合を妨害し、連邦裁判所命令の執行が困難に
  • アイゼンハワー大統領が州兵を連邦化し、黒人生徒の登校を保護
年代 大統領 場所 背景
1957年 ドワイト・D・アイゼンハワー アーカンソー州リトルロック 学校統合(Central High School)をめぐる州当局の抵抗

1962年:ミシシッピ大学(オール・ミス)

年代 大統領 場所 背景
1962年 ジョン・F・ケネディ ミシシッピ州 大学統合をめぐる暴動鎮圧・秩序回復

1963年:アラバマ州(学校統合をめぐる州知事の抵抗)

年代 大統領 場所 背景
1963年 ジョン・F・ケネディ等 アラバマ州 学校統合を妨害する州当局への対応(州兵連邦化など)

1965年:セルマ~モンゴメリー行進(投票権・デモ弾圧)

年代 大統領 場所 背景
1965年 リンドン・B・ジョンソン アラバマ州 行進の安全確保、州当局の暴力的弾圧への対処

1967年:デトロイト暴動(再び人種暴動)

年代 大統領 場所 背景
1967年 (当時の大統領) ミシガン州デトロイト 大規模暴動鎮圧

公民権期の特徴:州が統合・権利保障に抵抗するケースで、反乱法が「連邦の命令執行」「人権保護」の根拠として用いられた点が、現代の議論でも非常に重要です。


3-8. 1992年:ロサンゼルス暴動(最後の発動とされることが多い)

年代 大統領 場所 背景・目的
1992年 ジョージ・H・W・ブッシュ カリフォルニア州ロサンゼルス ロドニー・キング事件評決を契機とする大規模暴動、州の支援要請に基づく秩序回復

 

この1992年が「反乱法の最後の発動」として、政府記録や多くの解説で言及されます。


4. 反乱法の“過去の発動”から見える共通パターン

反乱法の歴史を俯瞰すると、発動(適用)には大きく3つのパターンが見えてきます。

パターン①:州が手に負えず、連邦に支援を求めた

  • 例:1992年ロサンゼルス暴動(州の要請が背景)
  • 「治安維持が崩壊し、警察・州兵だけでは回復困難」という状況

パターン②:州が連邦法・裁判所命令に抵抗し、連邦が執行した

  • 例:1957年リトルロック、1962年オール・ミス、1963年アラバマ
  • 「州の抵抗」対「連邦の法執行」という構図で、政治的緊張が最大化しやすい

パターン③:社会の大きな対立(人種・労働)で暴力が拡大した

  • 例:1877年鉄道スト、1894年プルマン・スト、1943年・1967年デトロイトなど
  • 連邦としては「インフラ・通商・治安」を理由にしやすい一方、 当事者側(労働者・住民)から「過剰介入」と批判されるリスクがある

5. 「反乱法の発動」はなぜ議論が荒れやすいのか?

反乱法がニュースになると強い賛否が出るのは、主に次の理由です。

  • 軍の国内投入は、市民生活に与えるインパクトが極めて大きい
  • 反乱法は例外規定であり、 「治安維持」の名のもとに権限が拡大しやすい(懸念が生まれやすい)
  • とくに州政府が反対する場合、 「連邦vs州」の構図が鮮明になり、政治対立が激化する

過去の歴史でも、

  • 公民権期は「人権保護」の意味合いが強く評価される一方、
  • 労働争議への投入は「弾圧」と批判される文脈もあり、 同じ法律でも受け止めは大きく変わります。

6. まとめ:反乱法(過去事例)を知ると、ニュースの見え方が変わる

「反乱法 過去」を整理すると、反乱法は

  • 南北戦争・再建期(KKK等への対抗)
  • 産業化の大規模スト
  • 公民権運動(学校統合など)
  • 1992年LA暴動

といった国家レベルの危機局面で適用されてきたことが分かります。

そして最大のポイントは、 **反乱法は“歴史の中で何度も使われてきたが、使うたびに政治と法の緊張を生む”**という性格です。 過去の発動例を押さえておくと、 「今回のニュースがどのパターンに近いのか」「州の同意があるのか」「連邦法執行の妨害が論点なのか」 といった見取り図が作りやすくなります。

Leave a Reply