カプコンの完全新作SFアクションアドベンチャー『PRAGMATA(プラグマタ)』が、ついに2026年4月24日に発売されることが発表されました。タイトルに使われている「プラグマタ」という言葉は、日本語でも英語でもあまり耳慣れないため、「どんな意味なの?」「造語なの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
をまとめて解説していきます。
「プラグマタ(Pragmata)」は、ギリシャ語由来の言葉です。英語としても一般的な単語ではないため、辞書を引いてもなかなか出てきませんが、もともとは古代ギリシャ語の πράγματα(プラグマタ) という語にさかのぼることができます。
英語ではこの語源から、
といった単語が派生しています。
つまり、「プラグマタ」は決してテキトウに作られた“それっぽい横文字”ではなく、きちんとした古い語源をもつ言葉なのです。
では、ギリシャ語の pragmata(プラグマタ) には、どのような意味があるのでしょうか。
もとの単数形 pragma(プラグマ) には、次のようなニュアンスがあります。
その複数形である pragmata(プラグマタ) になると、
といった意味合いを持つようになります。
ざっくり日本語にすると、
「現実世界で起きている具体的な“いろいろなこと”」
とイメージすると近いでしょう。
単なる「モノ(object)」ではなく、「出来事」「状況」「問題」「責任」など、**人間の行為と結びついた“事柄の集まり”**というのがポイントです。
先ほど触れたように、ギリシャ語の pragma / pragmata からは、英語の
などの言葉が派生しています。
英語の pragmatic は、
といったニュアンスの形容詞です。
日本語では、
といった訳語がよく使われます。
pragmatism(プラグマティズム) は、哲学用語としては「プラグマティズム(プラグマティズム哲学)」として知られています。ここでは細かい哲学史の説明は省きますが、ざっくり言えば、
「真理とは、実際の経験や行為の中で役に立つかどうかで判断される」という考え方
です。
このように、pragma / pragmata という語は、
といったものと深く結びついています。
ここからは、カプコンが発売するゲーム『PRAGMATA(プラグマタ)』の概要を簡単に整理しておきます。
カプコンの完全新作IPとして位置づけられており、美麗なグラフィックスと独自のハッキング要素を組み合わせた、近未来SFアクションが特徴とされています。
ゲームの舞台は、月面にある無人の研究ステーション。物語の主人公は、
という二人組です。
研究ステーションを支配するAIによって、施設内のロボットたちは敵対的な存在となっており、プレイヤーはヒューとダイアナを協力させながら、危険なステーションから地球への帰還を目指します。
ゲームプレイでは、
という役割分担がされています。
ダイアナがハッキングによって敵の防御システムを無効化し、弱点を露出させることで、ヒューの攻撃が通るようになる——という、アクションと戦略・パズルが組み合わさったバトルシステムが大きな特徴です。
では、こうしたゲーム内容を踏まえると、なぜタイトルが『PRAGMATA(プラグマタ)』なのか——その意味合いを考えてみましょう。
もちろん、公式に詳しい“タイトルの由来解説”が出ているわけではないため、以下はあくまで言葉の意味に基づく考察ですが、次のような読み取り方ができます。
先ほど説明したように、pragmata には「現実世界で起きている具体的な事柄・状況」というニュアンスがあります。
月面の研究ステーションは、
といった、きわめてシビアで“現実的な危機状況”に置かれています。これらすべてが、まさに pragmata(プラグマタ)=現実の事態や問題 として主人公たちの前に立ちはだかっている、とも解釈できます。
pragma には「行為の結果」や「なされたこと」という意味も含まれます。
物語世界の裏側では、
といった問いが隠されているはずです。
そう考えると、『プラグマタ』というタイトルには、
人類の行為がもたらした“結果としての世界”を見つめ直す物語
という含みが込められているのかもしれません。
さらに、pragmatic / pragmatism の流れを踏まえると、タイトルには、
といったメッセージも透けて見えます。
月という非日常的な舞台にもかかわらず、
というゲームプレイそのものが、ある意味では 「プラグマタ(現実的な事柄)」と向き合う行為になっている、とも言えるでしょう。
最後に、この記事のポイントを整理しておきます。
今後、物語の全容やゲーム本編が明らかになるにつれて、「プラグマタ」というタイトルの意味は、プレイヤー一人ひとりの中でさらに立体的になっていくはずです。
発売前の今だからこそ、
「プラグマタ=この世界で実際に起こっている事柄」
というキーワードを頭の片隅に置きながら、トレーラーや体験版を眺めてみると、新しい発見があるかもしれません。