「Fate/strange Fake」は、TYPE-MOONの『Fate』シリーズのなかでも“ひとことで言うと説明がむずかしい”作品として知られています。理由はシンプルで、タイトルそのものが物語の核心をネタバレ寸前まで言い当てているからです。
本記事では、Fate/strange Fakeの意味を中心に、
を、シリーズ初見の方でも追えるように整理します。
まず、英語としての直訳に近いところから見てみます。
つまり、字面だけなら「奇妙な偽物の運命」のような意味合いになります。
ただし『Fate』シリーズの場合、「Fate」は単なる“運命”以上に、シリーズ名=世界観の看板の意味も含みます。なので本作タイトルは、
『Fate』世界で起きる、奇妙な“フェイク”
というニュアンスが強いと考えると理解しやすいです。
『Fate』シリーズの大きな柱は「聖杯戦争」です。 聖杯戦争は基本的に、
という枠組みがあります。
ところが『Fate/strange Fake』の聖杯戦争は、この枠組みが**最初から“変”**です。
こうした「システムが奇妙」「構造がねじれている」感じが、strange(ストレンジ)に込められているイメージです。
タイトルのもう半分である Fake(フェイク)は、さらに核心寄りです。
本作のキャッチコピーとして知られるのが、
「それは、偽りだらけの聖杯戦争。」
という一文です。
「偽りだらけ」という言い方が示す通り、単に“誰かが嘘をついている”程度ではなく、
といった、多層的な意味が折り重なります。
作品を読んでいくと、「フェイク」を一枚剥がしたらまた別の「フェイク」が出てくるような感覚があり、タイトルがとてもよくできています。
ここが重要なポイントです。
Fake(偽物)というと、
を思い浮かべがちですが、『Fate/strange Fake』のニュアンスはそれだけではありません。
本作が描くのは、
といった“歪んだ再現”です。
つまり、
strange(奇妙)なのは、Fake(偽物)が「雑」だからではない。 むしろ「それっぽく成立してしまう」ほど作り込まれているのに、根が偽物だから怖い。
この感覚こそが、タイトルを2語でまとめた強さです。
作品タイトルとして優れている点は、次の3つです。
「Fate」が入ることで、シリーズファンはすぐに
といった共通言語を想起できます。
「strange Fake」の語感は、
という雰囲気を出します。
「偽物」「奇妙」という言葉だけで、
ことだけは伝わります。しかし、“何が”偽物なのかは読まないと分かりません。
このバランスが絶妙です。
直訳なら「奇妙な偽物」ですが、作品のニュアンスに寄せるなら、次のような訳が近いです。
言い換えるほど、作品が狙っている“気味悪さ”が出てきます。
最後に、Fate/strange Fake(フェイト/ストレンジフェイク)の意味を一文でまとめます。
Fate/strange Fake の意味は、
『Fate』世界で起きる、奇妙に成立してしまった“偽りの聖杯戦争”
というイメージが最も近いです。
「strange(奇妙)」と「Fake(偽物)」が並ぶことで、
偽物だからこそ生まれる異常を象徴するタイトルになっています。