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南鳥島レアアースの最新情報


南鳥島レアアースの最新情報

2025年12月版|2026年1月の試験採鉱・国会質疑・日本・アメリカの協力まで整理

「南鳥島(みなみとりしま)沖のレアアース」は、日本の排他的経済水域(EEZ)内に眠る“レアアース泥”として以前から注目されてきましたが、2025年末にかけて(1)2026年1月の超深海フィールド試験(2)国会での安全確保に関する質疑が相次ぎ、改めて話題になっています。

この記事では、「南鳥島 レアアース 最新 情報」を探している人向けに、直近ニュースの要点と、計画の全体像(どこまで進んでいて何が課題か)を、できるだけ丁寧にまとめます。


要点

  • 2026年1月:南鳥島周辺の水深約6,000mで、レアアース泥を引き上げるフィールド試験が予定されています(国家プロジェクトの一環)。
  • 2027年1月を目標:もし初期試験がうまくいけば、1日350トン規模で泥を回収するシステムの試験運用(スケールアップ)が想定されています。
  • ✅ 直近の国内ニュースでは、「資源調査の安全確保(妨害リスク)」が国会で議論され、海保など関係機関と連携して警戒監視・情報共有を行う必要性が焦点になりました。
  • ✅ 技術・環境・採算・安全保障の4点セットが、今後の成否を左右します。

【最新ニュース】国会で「南鳥島沖レアアース試掘」と安全確保が議論に(2025年12月4日)

2025年12月4日の参議院(外交防衛委員会)では、南鳥島沖で予定されるレアアース試掘調査について、「中国が何らかの妨害をする可能性は?」という観点から、安全確保のあり方が質疑されました。

報道によれば、質疑では次のような点が取り上げられています。

  • 🧭 2026年1月から南鳥島沖海域で試掘調査を実施する計画を「聞いている」
  • 🧪 2027年に1日350トンのレアアースを含む泥を回収し、本土で分離精製する実験を続ける計画を「聞いている」
  • 🚢 2025年6月に周辺海域で中国空母「遼寧」がEEZ内を通過した事案を踏まえ、資源開発時の妨害リスクを問題提起

ポイントは、ここで扱われているのが「資源開発の是非」だけでなく「開発時の海上安全・妨害リスクへの備え」だという点です。資源があっても、実際に回収・輸送・精製を続けられなければ、国家プロジェクトとして成立しません。


南鳥島の「レアアース泥」とは?

南鳥島沖で注目されるのは、山の鉱山から掘る「鉱石」ではなく、深海底に堆積した“泥”にレアアースが高濃度に含まれているタイプの資源です。

レアアース泥の特徴(研究機関の説明に基づく一般的な理解)

  • 🌍 深海底に広く分布し、資源量が大きい可能性
  • 🧲 重レアアースやスカンジウムに富むとされる
  • ☢️ 放射性元素(トリウム等)が少ないと説明されることが多い
  • 🧪 希酸で抽出できる可能性が示されている

このあたりの「レアアース泥=夢の泥」という表現は、研究側の説明でも使われることがあります。ただし、“抽出しやすい”と“商業的に成り立つ”は別問題なので、次章で計画の段階と課題を分けて整理します。


いま何がどこまで進んでいる?(計画のスケジュールを時系列で)

報道・政府資料ベースで、南鳥島沖レアアース開発は概ね次の流れで語られています。

時期 主な動き(概要) ここがポイント
2011〜2013年頃 深海の「レアアース泥」概念が注目され、南鳥島周辺で高濃度の泥が見つかったという発表が広がる。 「資源がある」段階(探査・基礎研究が中心)。
2024〜2025年 国家プロジェクト(SIP等)で、探査・環境評価・回収システム・分離精製の“一気通貫”を意識した開発が前面に。 「資源の存在」から「サプライチェーンの実装」へ。
2026年1月(予定) 水深約6,000mからレアアース泥を引き上げるフィールド試験 超深海(世界でも難度が高い領域)での技術実証が勝負。
2027年1月(目標) 1日350トン規模の回収システムの試験運用(スケールアップ)を目指す。 「連続運転」「安定回収」「コスト」「環境」を同時にクリアできるか。

なぜ南鳥島が“切り札”と言われるのか(経済安全保障の背景)

レアアースは、EV・風力発電・電子機器・防衛装備など、幅広い分野で重要素材です。一方で、供給は特定地域への依存が大きく、輸出規制や地政学リスクの影響を受けやすいとされます。

このため日本政府は、

  • 🔁 調達先の分散(多角化)
  • 🏭 採掘だけでなく精錬・分離も含めた供給網の強化
  • 📦 備蓄(ストックパイル)の強化

といった政策パッケージの中に、南鳥島のプロジェクトを位置づけています。

日米協力も“同じ文脈”

2025年11月には、南鳥島周辺でのレアアース開発について日米で協力を検討するという趣旨の発言・報道も出ています。ここで重要なのは、単に「採掘を共同でやる」というよりも、

  • 🤝 採掘〜精錬〜製造までの供給網(サプライチェーン)をどう安定させるか
  • 🧩 技術・投資・需要家(メーカー)の確保をどう組み合わせるか

という、経済安全保障の組み立てとして語られている点です。


技術的ハードル:水深6,000mは“別世界”

南鳥島沖のレアアース泥は、海底でも特に深い領域(約5,000〜6,000m)にあるとされます。これは、

  • ⚙️ 揚泥(泥を持ち上げる)ための管・ポンプ・揚収システム
  • 🧰 故障時の保守(すぐ潜って直せない)
  • 🌊 海況・気象・航海の制約

など、運用面の難易度がいきなり上がる深さです。

「採る」だけでは終わらない:分級・分離・精製・製錬まで

政府資料では、南鳥島プロジェクトを「連続的な採鉱・揚泥・分離・精製・製錬」として成立させることが目標に掲げられています。つまり、

  • 🪣 海底から泥を回収する
  • 🧹 余分な粒子を分級する
  • 🧪 レアアースを抽出・分離する
  • 🏭 製錬して製品化できる形にする

という工程を“つなげて回す”必要があります。ここが、研究段階と産業段階の大きな違いです。


環境面:深海採掘は「やってみないと分からない」部分が大きい

深海底の資源開発は、世界的に環境影響が議論されている分野です。とくに、

  • 🌫️ 泥が舞い上がる(プルーム)ことによる影響
  • 🪸 深海生態系への長期影響(回復に時間がかかる可能性)
  • 🔎 そもそも深海は未解明な領域が多く、ベースラインデータが重要

といった論点があります。

一方で、政府資料(SIP関連)には、海洋環境影響評価・環境モニタリング技術の開発や、環境マネジメントの構築といった文言もあり、少なくとも「環境評価をセットで進める」こと自体は計画に含まれています。


安全保障・リスク:妨害の“可能性”と、現実的な備え

今回(2025年12月)の国会質疑で前面に出たのが、この論点です。

「妨害」といっても形はいろいろ

  • 🚢 周辺海域での示威的行動(航行・演習・接近)
  • 🛰️ 電波・通信への干渉(船舶運用やデータ送信の妨害)
  • 🧵 海底ケーブル等を含むインフラ面の脆弱性
  • 📢 発信・世論戦(環境を理由にした国際的圧力など)

現実的に重要なのは「平時の警戒監視」と「情報共有」

深海資源の現場は、陸上鉱山と違って「柵を作って守る」ことができません。だからこそ、

  • 🛡️ 海上保安庁・自衛隊・関係省庁の連携
  • 📡 警戒監視・情報収集の強化
  • 🚨 事案発生時の通報・対処プロトコル

といった地味な基盤整備が、結局いちばん効きます。


よくある疑問(Q&A)

Q1. 南鳥島のレアアースは「すぐ採れる」の?

A. いまは“採るための技術を現場で実証する段階”です。2026年1月の試験でまず「超深海から安定して引き上げられるか」、次に「連続的に回せるか」「コストと環境評価を両立できるか」が見えてきます。

Q2. どれくらいの“量”があるの?

A. 報道では、南鳥島周辺に相当量が眠っているという推計(例:埋蔵量世界上位に相当するという表現)が見られます。ただし、推計埋蔵量可採埋蔵量(採算が取れて実際に採れる量)は別物です。数字だけで期待を膨らませすぎないのが大切です。

Q3. 中国依存は本当に減る?

A. 可能性はありますが、鍵は採掘よりも「分離・精製」と「産業コスト」です。泥を持ち帰るだけでは供給網になりません。精錬・分離の技術、電力コスト、環境規制、需要家の長期契約など、複数条件がそろって初めて「依存度低減」に効いてきます。


今後の注目ポイント(2026年〜)

  • 🔭 2026年1月のフィールド試験:揚泥の安定性、トラブル時の復旧、運用コストの手触り。
  • 🧪 分離精製の実データ:泥の性状のばらつき、抽出効率、廃棄物(残土)の扱い。
  • 🌿 環境モニタリング:プルーム、底生生物、長期変化の評価がどう設計されるか。
  • 🛡️ 安全確保の枠組み:関係機関の役割分担、警戒監視の運用、インフラ防護(海底ケーブル等)。
  • 🤝 日米協力の具体化:投資・技術・需要・精錬のどこで協力するのか(“口約束”で終わらないか)。

まとめ:南鳥島レアアースは「資源+技術+環境+安全保障」の総合問題

南鳥島沖のレアアース泥は、確かにロマンがあります。でも現実は、

  • 💡 技術:超深海6,000mで安定運用できるか
  • 🌿 環境:長期影響を見える化し、管理できるか
  • 💴 採算:中国優位の市場とどう戦うか(供給網全体で)
  • 🛡️ 安全保障:妨害リスクや海上安全をどう担保するか

を同時に解く必要がある、国家規模の難問です。


2025年12月の国会質疑は、その難問が「机上の未来」ではなく、具体的な運用(守り方)のフェーズに入ってきたことを示す出来事でした。2026年1月の試験採鉱(フィールド試験)は、その次の節目として要注目です。

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