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マイナンバーカード:国会議員の取得率

マイナンバーカード:国会議員の取得率

分かっていること・分からないこと

「国会議員はマイナンバーカードを持っているのか?」「取得率は何%なのか?」という疑問は、マイナンバーカードの普及策や“マイナ保険証”の議論が進むほど、SNSやコメント欄で繰り返し話題になります。

ただし結論から言うと、国会議員全体(衆議院+参議院)の“公式な取得率”は、まとまった形では公表されていません。そのため、現時点で語れるのは「一部の範囲については公式資料がある」「それ以外は、調査・報道などの“部分情報”を積み上げるしかない」という現実です。

この記事では、

  • そもそも「取得率」と言うときの注意点
  • 公表されている“公式に近い数字”はどこまでか
  • 報道アンケートとは何が違うのか
  • なぜ国会議員の取得率は見えにくいのか

を、整理して解説します。


まず確認:「取得率」は何を指す?(言葉のズレに注意)

マイナンバーカード周りの議論は、次の言葉が混ざると一気にややこしくなります。

  • 申請:カードを作る手続きを出した状態
  • 取得(交付):実際にカードを受け取って手元にある状態
  • 保有:取得とほぼ同義で使われることが多い(統計によって定義違いあり)
  • 利用登録:マイナポータル登録、健康保険証利用登録、公金受取口座登録など

つまり「国会議員の取得率」と言ったとき、

  • 申請だけして受け取っていない人はカウントする?
  • 受け取ったけど保険証登録していない人は?

という定義の差が必ず出ます。


公式に近いデータ①:政府側(政務三役等)の取得状況は答弁書で示されている

「国会議員全体」ではないものの、内閣の“政務三役等”(大臣・副大臣・大臣政務官・総理補佐官)については、国会の質問主意書に対する答弁書で取得状況が示されたことがあります。

ポイントは、これは

  • “国会議員全体”ではなく
  • 行政府の中心メンバー(政務三役等)の話

という点です。とはいえ、少なくとも「国の中枢にいる人たちはどの程度か」を見る材料にはなります。

政務三役等の取得状況(公表された例)

対象(時点) 取得していない者の割合 備考(概要)
岸田内閣(2022年1月の答弁) 約4% 未取得者は申請済みとされる
第二次岸田改造内閣(2022年10月の答弁) 約3% 未取得者は申請済みとされる
第二次岸田第二次改造内閣(2024年2月の答弁) 0% 取得・利用者登録・保険証登録も“全員”とされる

この流れだけを見ると、少なくとも政務三役等は、当初は“未取得が数%”あったものの、のちに**未取得がゼロ(全員取得)**という説明が出た、という整理になります。


公式に近いデータ②:国会議員「全体」は公表が見当たりにくい

では「国会議員(衆議院+参議院)」の取得率はどうかというと、政府の公開資料として、全議員を対象にした統一の取得率が常設で提示されている状況は確認しにくいのが実情です。

これは、意地悪な言い方をすると、

  • “数字がない”というより
  • “国民がすぐ参照できる形で出ていない”

という状態です。

そのため、ネット上で見かける「国会議員の取得率○%」という断定は、

  • 政務三役等の数字を“国会議員全体”に見せかけている
  • 報道アンケートの数字を“公式統計”のように扱っている

などの混線が起きやすいので注意が必要です。


参考になりやすい“部分情報”:衆議院議員への報道アンケート(※公式統計ではない)

国会議員全体の公式データが見えにくい一方、報道機関がアンケートで取得状況を調べた例があります。

ただしアンケートは、

  • 回答した人だけの集計になりやすい
  • “回答しない自由”がある
  • 回答者が偏る可能性がある

ので、その数字をそのまま「国会議員の取得率」と断定するのは危険です。

例として、衆議院議員にアンケートを行い、

  • 回答が集まった人数の範囲で
  • 取得している割合を集計

といった形で報じられたケースがあります。


なぜ「国会議員の取得率」は見えにくいのか

理由はいくつか考えられます。

1) 取得は原則“任意”で、本人確認書類は他にもある

取得が任意である以上、全議員に一律で「持っているか」を公表する設計になっていない可能性があります。

2) 公表すると“個人情報の扱い”と近い論点になる

「取得している/していない」は数字だけなら軽く見えますが、

  • その後の登録状況
  • セキュリティ上の観点
  • 政治的立場との結びつけ

など、周辺の論点がすぐに絡みます。

3) そもそも“集計する必然性”が制度上弱い

行政が業務としてどこまで把握しているのか、把握していてもどこまで公開するのか、という壁があります。


「国会議員は持っているべき?」という議論は別問題

取得率の話題は、すぐに

  • 「推進しているなら議員も持つべき」
  • 「持つ/持たないは任意なのだから議員も自由」

という価値判断に飛びます。

ただ、取得率を語るならまずは

  • どの範囲の議員の話か(全議員?政務三役?)
  • “取得”なのか“申請”なのか“登録”なのか
  • 公式情報なのか、アンケートなのか

を分けないと、議論が空回りしがちです。


読み手ができる「情報の見分け方」

✅ その数字は、**一次情報(国会答弁書・政府資料)**に基づくか?

✅ 「国会議員全体」なのか、「政務三役等」なのか、母集団が一致しているか?

✅ アンケートなら、回答数・未回答数が明記されているか?

✅ 取得(カード受領)と、利用登録(保険証登録など)を混同していないか?


まとめ:現時点で言える“安全な結論”

  • 国会議員“全体”の公式な取得率は、まとまった常設統計としては見えにくい
  • 一方で、政務三役等のような限定範囲なら、答弁書で取得状況が示された例があり、**未取得が数% → 0%**と説明された時期がある
  • 「国会議員の取得率○%」という断定は、**母集団(誰を数えているか)と根拠(一次情報か)**を確認してから読むべき

よくある質問(FAQ)

Q1. 国会議員はマイナンバーカードを持つ義務がありますか?

法律上の「取得義務」という形で語られるものではなく、議論の中心は“任意取得”を前提にした制度設計と運用です。

Q2. 取得していても、保険証利用登録などをしていない人はいますか?

一般には「取得」と「利用登録」が分かれるため、取得していても登録していないケースは起こり得ます。

Q3. どうしても“国会議員全体”の取得率を知りたい場合は?

政府の公開資料で常設の統計が見つからない場合、

  • 報道アンケート
  • 党や議員本人の説明
  • 国会での追及・質疑や答弁

といった断片情報の積み上げになります。数字を見るときは、母集団と定義の確認が必須です。

 

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