RPG『Of Ash and Steel(オブ・アッシュ・アンド・スティール)』。 英語としては短いのに、どこか“重い空気”や“古い伝承”っぽさを感じるタイトルです。 本記事では、「ash(灰)」と「steel(鋼)」が象徴するもの、そして多くの人が気になる**「なぜ of が付くのか」**を、英語の感覚も踏まえて丁寧に解説します。
『Of Ash and Steel』を機械的に直訳すると、だいたい次のようなニュアンスになります。
ポイントは、これが文章として未完成に見えることです。 「〜の」まで言って、最後の名詞(例:tale, world, age など)が省略されている感じですね。
つまりこのタイトルは、あえて余白を残し、 プレイヤーに「これは何の話なんだろう?」と想像させるタイプの名前です。
ash = 灰は、ファンタジー作品のタイトルでよく次のイメージをまといます。
灰は「終わったこと」を示すだけでなく、 **“終わったのに、まだ煙が残っている”**という感じが出ます。 物語の導入としてはとても強い記号です。
このゲーム自体も、かつて繁栄していた島が舞台であり、厳しい世界で生き残るRPGとして説明されています。 だからタイトルの “ash” は、世界観のトーン(荒廃・残り火)と相性がいいわけです。
steel = 鋼は、戦いと文明の象徴です。
特にRPGで “steel” と言うと、魔法よりもどこか**現実寄り(低ファンタジー寄り)**な匂いがします。 ドラゴンと光の魔法の世界というより、 **「鉄の冷たさが支配する世界」**というニュアンスになりやすいですね。
“ash and steel” をセットで置くと、見えてくるのはだいたい次の3つです。
焼けた後の世界で、人々は再建より先に争う。 秩序は正義ではなく、武器を持つ側が作る——。 そんな渋い低ファンタジーの空気をまといます。
昔は輝いていた。 でも今は現実的に、泥と鉄と血で生き延びるしかない。 「過去」と「現在」をぶつけるような組み合わせです。
灰は“終わり”ですが、鋼は“作る/鍛える”イメージもあります。 つまり、タイトル自体が 「崩壊の後でも、人は鍛え、前へ進む」 という再生の匂いも残せます。
※ここは公式が明言しているというより、英語タイトルが自然に誘う「連想」の部分です。
英語圏では、タイトルに Of + 名詞 を置くと、 一気に古典的・物語的・重厚な響きになります。
たとえば英語タイトルには昔から次のような型があります。
“of” は、日常会話で多用するほど軽いニュアンスではなく、 タイトルに置くと文学っぽい香りが出ます。 『Of Ash and Steel』は、その「古典タイトルの型」を借りていると考えるとしっくり来ます。
of は文脈によって役割が変わりますが、タイトルで効きやすいのは次の3つです。
『Of Ash and Steel』は、このどれにも読めるように、 あえて“最後の名詞”を省略しているような形です。
もしタイトルが単に
だけだったら、英語圏では 「灰と鋼? で?」 と、少し素っ気ない印象になりやすいです(もちろん、作品によってはそれもアリです)。
そこに “Of” を付けることで、
という、**語り出し(序文)**みたいな雰囲気になります。
実際、英語の古い文章(論文や随筆)だと「Of〜」は “〜について”の見出しとしても使われます。 だから、タイトルだけで世界観が少しクラシックに見えるんですね。
『Of Ash and Steel』は、直訳だと日本語で不自然になりやすいので、 意訳のほうが雰囲気が出ます。
ただし、原題の「余白(◯◯の……)」を残したいなら、 あえて
のように途中で切るのも“味”としては成立します(ただし日本語圏では好みが分かれます)。
『Of Ash and Steel』という題名は、
この3点で、作品の空気を一気に伝えるタイトルになっています。