世界には、年齢や国のちがいに関係なく、すべての子どもが幸せに暮らすための大切な約束があります。それが 「子どもの権利条約(こどものけんりじょうやく)」 です。
この条約は、子どもが「一人の人間」として大切にされ、安心して成長できるように世界の国々が約束したルール。日本もこの条約を守ると決めています。
この記事では、子どもの権利条約の意味や内容、どんな権利があるのかを、できるだけわかりやすい言葉で説明します。
子どもの権利条約は、1989年に国連で作られた、子どものための世界共通の約束です。英語では「Convention on the Rights of the Child」と呼ばれます。
この条約が伝えたい一番大切なことは、
という考え方です。
「権利(けんり)」という言葉は少しかたいですが、ここでは
「子どもが幸せに生きるために、当然あっていい“当たり前のこと”」
と考えるとイメージしやすいです。
子どもの権利条約は、子ども自身だけでなく、
が、いっしょになって守るべき約束です。
子どもにとって安心できる場所を作るのは、まわりの大人や社会の役目でもあります。

子どもの権利条約にはたくさんの内容がありますが、特に大切な考え方として、権利は大きく 4つの柱(はしら) にまとめられます。
子どもが命を守られ、生きていくために必要なことを受けられる権利です。
「まず命が大切にされる」 ことが、すべての土台になります。
子どもが自分らしく成長できるように助けられる権利です。
勉強だけでなく、遊びや休みも「育つために必要なこと」とされています。
子どもが危険や不公平から守られる権利です。
たとえば、肌の色や性別、障害の有無、家庭の事情などで、子どもが不利になったり傷ついたりしてはいけない、という考えが入っています。
子どもが自分の意見を言い、社会の中で大切に扱われる権利です。
ここで大切なのは、
「子どもだからダメ」ではなく、子どもも意見を持つ大切な存在」
という考え方です。

昔から世界には、子どもが大人と同じように扱われて苦しい思いをすることがたくさんありました。
こうした問題を減らすために、世界の国々が集まって「子どもを守るためのルールを作ろう」と決めたのが子どもの権利条約です。
条約の中でも、特に大事な「考え方の基本ルール」が4つあります。これを 4つの一般原則 と呼びます。
どんな子どもも同じように大切にされるべき、という原則です。
などで「大切にされ方」が変わってはいけません。
何かを決めるとき、
「子どもにとって一番いいのは何か?」
を最優先に考えるという原則です。
子どもが安全に生き、心も体も健康に育てるように、社会が支えるべきという原則です。
子どもには考えがあり、その考えを伝える権利があるので、周りはきちんと聞くべきという原則です。
子どもの権利条約は、特別な場所だけの話ではありません。身近な生活にもつながっています。
こうした「当たり前に見えること」も、権利として大切にされるべきものです。

もし子どもの権利が守られないと、次のようなことが起きやすくなります。
権利が守られることは、子どもが今だけでなく将来も幸せに生きるためにとても重要です。
子どもの権利条約は、
の「世界共通の約束」です。
子どもは弱い存在として守られるだけではなく、意見を持ち、未来をつくっていく大切な存在。
この条約は、そんな子どもたちがのびのびと生きられるように、世界がいっしょに考えて作ったルールなのです。