指定席と着席指定席の違い
わかりやすく解説
コンサートやライブ、スポーツ観戦、テーマパークのショーなどで「指定席」や「着席指定席」という言葉を目にすることがあります。どちらも似たように見えますが、実はルールや楽しみ方に違いがあります。
この記事では、
- 指定席とは何か
- 着席指定席とは何か
- 具体的にどう違うのか
- それぞれのメリット・デメリット
- チケットを取るとき・会場で気をつけたいポイント
をわかりやすく解説していきます。
「指定席」とは?

基本的な意味
**指定席(していせき)**とは、あらかじめ「どの席に座るか」が決まっている席のことです。
- チケットや予約画面に「○列○番」「○ブロック○番」などと席番号が印字されている
- 当日はその指定された席に座るのが原則
- 自由に席を移動してはいけない
というのが、指定席の基本的な考え方です。
指定席のよくある例
- コンサートやライブ会場の「指定席」
- 劇場・映画館の指定席
- プロ野球やサッカーのスタジアムの指定席
- 新幹線・特急列車の指定席(グリーン車・指定席車両 など)
会場側としては「どの席に何人来るのか」が事前にわかるので、入場をスムーズにしたり、安全管理をしやすくしたりするメリットがあります。
指定席での観客の自由度
指定席は「席番号が決まっている」だけで、
- 立つか座るか
- 手拍子をするかどうか
- 曲に合わせて体を動かすかどうか
といった点は、基本的に 会場のルールや公演の雰囲気に任されている ことが多いです。
もちろん、
- 前の人の視界を完全にふさぐような行為
- 周りの人にぶつかるほどの激しいジャンプ
- 座席の上に立つ
などは、一般的なマナー違反・禁止事項になりますが、
「立って応援する」「サビで立ち上がる」「タオルを振る」などは、スタンディングOKの公演ではよく見られます。
「着席指定席」とは?

着席指定席の基本ルール
着席指定席(ちゃくせきしていせき) は、
指定された席で、原則として「座ったまま」鑑賞することを求められる席
という意味で使われることが多い言葉です。
ポイントは「立ち上がらないでください」というルールがある指定席 という点です。
よくあるルールとしては、
- 公演中は必ず座った状態で鑑賞する
- 歌ってもよいが、立ち上がっての応援やジャンプは禁止
- 視界をさえぎるような大きなうちわ・ボードなどの使用を控えるよう求められる場合もある
といったものがあります。
なぜ「着席指定席」が設けられるのか

着席指定席が設けられる主な理由は、次のようなものです。
- 子ども連れや高齢の方でも安心して楽しめるようにするため
周りが立ち上がってしまうと、体格の小さな人はステージが見えなくなってしまいます。座ったまま鑑賞するエリアを用意することで、「立ち上がるのがつらい人」「落ち着いて楽しみたい人」も安心して参加できます。
- 安全面への配慮
激しいジャンプやモッシュ、前後左右への大きな動きは、転倒やケガの原因になる場合があります。着席指定席は、そうしたリスクを減らすためのエリアとしても機能します。
- 静かにじっくり楽しみたい人のニーズへの対応
ライブやコンサートの中には、「騒ぐよりも音楽に集中したい」という人もいます。着席指定席は、そうした人たちが落ち着いて鑑賞できる環境を提供する役割を持っています。
着席指定席のよくある例
- 一部のアイドルコンサート・声優イベントの「着席指定席」エリア
- 子ども連れ・ファミリー向けに設けられた着席専用エリア
- アリーナ・スタンドの一部ブロックが「着席指定」になっているケース
会場によっては、チケット販売時に「着席指定席」とそれ以外の席を選べるようになっている場合もあります。
指定席 と 着席指定席 の違いを整理
ここまでの内容を、わかりやすく整理してみましょう。
定義の違い
- 指定席:
- 「どの席に座るか」が決まっている席の総称
- 立つか座るかは、会場や公演のルールによる
- 着席指定席:
- 指定席の一種
- さらに「公演中は座ったまま鑑賞する」というルールが加わった席
つまり、
着席指定席 = 「座って鑑賞することが義務づけられた指定席」
と考えるとイメージしやすいです。
ルール・雰囲気の違い
- 指定席:
- 立って盛り上がる公演もあれば、基本的に全員が座っている公演もある
- 会場やアーティストごとの“空気”に左右されやすい
- 着席指定席:
- 「立たない」というルールが明確
- 周囲も静かめで、落ち着いた雰囲気になりやすい
誰に向いているか
- 指定席:
- 立って応援したい
- 周りと一緒に盛り上がりたい
- ライブの一体感をしっかり味わいたい
- 着席指定席:
- 長時間立っているのがつらい
- 子どもや高齢の家族と一緒に参加したい
- 静かにじっくりステージを見たい
- 周りが立ち上がって視界がさえぎられるのが不安
チケット購入時に気をつけたいポイント
1. 「着席指定席」であることを見落とさない
チケット販売サイトでは、
- 「指定席」
- 「着席指定席」
- 「スタンディング」
- 「立見」
など、似ているようで違う表現が並ぶことがあります。
特に「着席指定席」は、注意書きが小さく書かれている場合もあるため、
- 席種の説明欄
- 注意事項のページ
- アーティスト公式サイトの案内
をよく読んでから申し込みをすることが大切です。
「立って盛り上がりたい」と思っている人が、うっかり着席指定席を選んでしまうと、当日、ルール上立てないのでガッカリしてしまいます。その逆に、「立つのがつらい」人が通常の指定席を取ってしまうと、周りが立ち上がった時に何も見えなくなってしまう、ということも起こり得ます。
2. 同行者の体力や好みを考える
友人や家族と一緒に行く場合は、
- 立っても平気か
- 長時間立ちっぱなしはしんどくないか
- 騒がしい雰囲気が好きか、苦手か
などを事前に話し合っておくと、席種選びで失敗しにくくなります。
たとえば、
- 「自分はスタンディングで最前列に行きたいけれど、親と一緒に行くときは着席指定席にする」
- 「子ども連れのときは、必ず着席指定席か、ゆったりした指定席を選ぶ」
といった工夫も有効です。
3. 会場ごとのルールを確認する
同じ「着席指定席」という表現でも、
- 完全に立ち上がり禁止
- 基本は着席だが、アンコールの一部でだけ立ってもよい
- 子どもが椅子の上に立つのは禁止
など、細かいルールは会場や主催者によって違うことがあります。
不安な場合は、
- チケット販売サイトのQ&A
- 公演公式サイトの注意事項
- 公式SNSのお知らせ
などを確認しておくと安心です。
会場でのマナーとトラブルを防ぐコツ
着席指定席では「少しの立ち上がり」も注意
着席指定席では、
といった行為も、周りの人の視界をさえぎる原因になります。
ルールとして「着席」とされている以上、
基本的には、公演中は常に座った状態で楽しむ
という意識を持つことが大切です。
どうしてもトイレや体調不良などで席を立つ場合は、
- 曲の合間やMCのタイミングを選ぶ
- 周囲の人の邪魔にならないよう、静かに移動する
といった配慮を心がけましょう。
指定席エリアでも「周りの見え方」を意識
通常の指定席で立って応援する場合でも、
- 後ろに子どもや背の低い人がいないか
- 大きなうちわやボードで視界をふさいでいないか
- 席の上に立つなど危険な行動をしていないか
を意識することで、トラブルを減らすことができます。
「自分も楽しみたい」「でも、周りの人の楽しむ権利も大切」というバランスを意識することが、ライブやイベントを気持ちよく楽しむコツです。
まとめ:自分に合った席種を選んで快適に楽しもう
最後に、「指定席」と「着席指定席」の違いをもう一度整理します。
- 指定席:
- 座る位置が決まっている席の総称
- 立つ・座るは会場や公演のルール次第
- 着席指定席:
- 指定席の一種
- 「公演中は座って鑑賞する」ことが求められる席
- 子ども連れ・高齢の方・静かに楽しみたい人に向いている
チケットを購入する前に、
- どんな雰囲気で楽しみたいのか
- 一緒に行く人の体力や好み
- 会場や主催者が定めたルール
をよく考えて席種を選ぶことで、当日の満足度は大きく変わってきます。
「指定席」と「着席指定席」の違いを知っておくことで、自分に合ったスタイルでライブやイベントをより快適に楽しめるようになるはずです。