2025年のワールドシリーズでドジャースを連覇に導いた山本由伸が、アメリカの野球ファンやメディアの一部から “yama mojo(やまもじょ)” と呼ばれました。日本語のSNSでも「やまもじょって何?」「山本由伸の新しいあだ名?」と話題になりましたが、この表現は少しアメリカ的なスラング感覚が混ざっているため、直訳では分かりにくいところがあります。本記事では、この“yama mojo”(やまもじょ)という呼び方がどこから出てきて、どんなニュアンスを持っているのかを整理しておきます。
まず「mojo(モジョ)」は、英語のくだけた表現でよく出てくる言葉です。もともとの語源は「魔力」「呪術的な力」といった意味合いですが、現代英語ではもっと軽く、次のような感じで使われます。
スポーツ中継やポッドキャストでは、
“He got his mojo back.”(あいつ調子取り戻したな)
のように、一気に調子を引き戻したときに使われることが多いです。つまり“mojo”は「成績がいい」だけではなく、周囲の空気と本人の集中がピタッと噛み合っている状態を指す言葉です。
ドジャースのクラブハウスや英語実況では、山本由伸はフルネームで呼ばれるよりも、短く “Yama(ヤマ)” と呼ばれることが多いです。ヤマダ、ヤマグチ、ヤマモトなど「Yama」で始まる日本人選手・スタッフを英語圏で呼ぶときの典型的な省略ですね。2024年以降のドジャース投手陣の動画でも、“Yama looked great today.”(ヤマ、今日よかったな)といった言い方が普通に出てきます。
したがって“yama mojo”は、
“Yama’s mojo” = 「ヤマのモジョ/ヤマが持ってる特別なノリ」
をそのままくっつけて、ハッシュタグ風にしたものだと考えると分かりやすいです。
2025年の山本由伸は、ワールドシリーズで次のような“説明できないレベルの勝負強さ”を見せました。
これらは、数字としてももちろんすごいのですが、「ここでそれをやるか」というタイミングの良さが際立っていました。アメリカのファンが“mojo”を使うのはまさにこういうときで、特に第7戦で最初にピンチを切り抜けた瞬間に、SNS側で
“That’s Yama mojo.”
という書き込みが複数見られたのが広まりの起点です。つまり「山本がいつものギアじゃなく、勝負を決めるギアに入った状態」を指しているわけです。
2025年のドジャースは優勝Tシャツに“WE RULE OCTOBER”と入れており、「10月はうちの季節だ」というメッセージを前面に出していました。この空気の中で、山本がまさに10月(実際には11月頭まで)を支配するような投球をしたので、ファンとしては
“We rule October.” “Yeah, that’s Yama’s mojo.”
と、セットで言いやすかったのです。したがって“yama mojo”には、単なる「好調」だけでなく、**「10月(ポストシーズン)特有の勝負強さを出してきた山本」**という意味合いが上乗せされています。
日本語にそのまますると「ヤマの魔力」「ヤマのツキ」といった訳が近いですが、これだと少しオカルト寄りに見えてしまいます。2025年の文脈に合わせると、次のような訳が実態に近いでしょう。
記事としては、
“yama mojo(やまもじょ)とは、ドジャースの山本由伸がポストシーズンで見せる“説明しづらい勝負強さ・ツキ・空気を変える力”を指して、アメリカのファンや一部メディアが使い始めた呼び方である。”
と書いておくと、読み手にとって意味が拾いやすくなります。
この手のあだ名は、翌シーズンも同じようにポストシーズンでハマれば定着しますが、そうでなければ一時的な流行で終わることも多いです。特に“mojo”は汎用性が高いので、他の選手の活躍に上書きされてしまうこともあります。ただし山本の場合は、
の3点が揃っているため、ハイライト動画やXのファンアカウントなどでは今後もしばらく“yama mojo”がキャプションとして使われると見ていいでしょう。