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サナ活とは?

高市早苗氏

サナ活とは?

2025年に入ってから、SNS上でじわじわと使われるようになった言葉に「サナ活(さなかつ)」があります。ここでいう「サナ」は、K-POPアイドルの“サナ”ではなく、日本の政治家であり現職首相の高市早苗さんを指す呼び名です。つまり「サナ活」とは、高市早苗首相を推すための活動、あるいは高市首相と同じものを持ったり、発言・政策を追いかけたりする“推し活の政治版”のことを指す新しいネットスラングです。

なぜ「サナ活」という言葉が生まれたのか

「サナ活」という言葉が広がった背景には、2025年秋に発足した高市内閣のインパクトがあります。新しくトップに立った政治家が、従来の政治家像よりも発信力があり、SNSに親和的で、しかもファッションやコスメの話題に触れることが多かったため、政治にあまり関心がなかった層にも“推しやすい人”として認識されました。これが「サナ活」という、ややポップな呼び方を生み出す土壌になりました。

また、X(旧Twitter)やInstagramで「高市さんが使ってたあのボールペンどこの?」「あのバッグかわいくない?」「韓ドラ好きって言ってたよね?」といった投稿が増え、ファン同士で“特定”する動きが活発になったことも大きな要因です。ミュージシャンやアイドルでよくある「本人と同じアイテムを買う」という行為が、政治家に対しても起きた、という点がユニークです。

サナ活でよく見られる行動

サナ活とは

サナ活をしている人たちの投稿を見ていると、いくつか特徴的な行動パターンがあります。

  1. 同じアイテムを買う・身に着ける
    高市首相が会見や移動時に使っていたバッグ、スーツ、スカーフ、ボールペンなどを特定し、同じもの・似たものを買って投稿するパターンです。ファッション誌の「女優が持っていたバッグはこれ」企画の政治版ともいえます。
  2. 発言・政策をすぐにシェアする
    経済安全保障や外交に関する発言を、当日中にキャプチャして投稿したり、分かりやすく要約して広めたりする動きもサナ活の一部です。「サナのこういうところが好き」「ここが他の政治家と違う」という“推しポイント”を添えることで、一種のファンコミュニティが形成されつつあります。
  3. ハッシュタグでの連帯
    「#サナ活」「#高市推し」「#今日のサナ」などのタグを使い、同じ推しを持つ人たちとつながる行動もよく見られます。これはK-POPやVTuberのファンダム文化とほぼ同じ仕組みで、政治を“日常の趣味”に落とし込む役割を果たしています。
  4. 政治イベントを“参戦”として扱う
    党大会や街頭演説、オンラインの説明会などに参加したことを「今日サナ活してきた」「現地サナ活です」と書く人もいます。ライブやリリイベのように扱う点が新しく、政治参加のハードルを下げているとも言えます。

どんな人たちがサナ活をしているのか

興味深いのは、従来からの保守系支持者だけがサナ活をしているわけではない、という点です。高市首相本人が、韓国ドラマやコスメの話題にも比較的オープンで、若い女性にも届きやすい語り方をしているため、

  • 政治は詳しくないけど、この人のスタイルは好き
  • 同じ世代の女性がトップに立ったことに共感した
  • キャリア女性としての生き方をロールモデルにしたい

といった理由でフォローを始める人も増えています。結果として、政治に入ってくる入り口が「政策」ではなく「推し」になっているのがサナ活の特徴です。

他の“○○活”とのちがい

「サナ活」という名前からも分かる通り、このムーブメントはすでにある“推し活”のフォーマットをほぼそのまま政治分野に持ってきたものです。よく似ているのは次のようなものです。

  • アイドルの推し活:グッズを買う、ライブに行く、SNSで広める
  • 韓国コスメ活(オリ活):推しているブランド・アイドルが使っているアイテムをひたすら試す
  • 政治家応援アカウント:気に入った政治家の出演情報をまとめる

しかしサナ活がユニークなのは、「実在する首相クラスの政治家」に対して、ほぼアイドルと同じ文脈で消費・共有が行われている点です。ここまでポップに政治家が“推される”のは日本ではあまり前例がなく、2025年特有のSNS文化と言えます。

メディアが注目する理由

マスメディアやネットニュースが「サナ活」を取り上げ始めたのは、単にバズっているからではありません。そこにはいくつか注目すべき点があります。

  1. 政治への入口が変わる可能性
    政策論争や政党支持からではなく、「好きだから」「かわいいと思うから」という感情ベースで政治家をフォローする人が増えると、これまで政治にアクセスできなかった層が入ってきます。これは民主主義の裾野を広げる一方で、人気が支持と直結しやすくなるという課題も生みます。
  2. グッズ・消費が絡むこと
    サナ活では、政治家が持っていた・着ていたという“実物”が売れます。これは政治のパーソナル化・ブランド化が進んでいるサインでもあり、企業や自治体がコラボを考えるきっかけになり得ます。
  3. 他の女性政治家への波及
    X上ではすでに「キミ活(小野田紀美さんを推す)」「ツキ活(片山さつきさんを推す)」といった言葉遊びが出ており、女性政治家を中心に“推し活化”する動きが見られます。今後、若い年代の女性議員が増えれば、類似の呼び方がさらに増える可能性があります。

サナ活に対する批判や懸念

一方で、「政治家をアイドルのように扱ってよいのか」「政策の中身よりも見た目や持ち物ばかり話題になるのは危険ではないか」という批判も出ています。特に次のような点が懸念されています。

  • 中身より“映え”が優先される:SNSでバズる要素が強調され、政策の細部が読まれないまま支持・不支持が形成される可能性がある
  • 偶像化・単純化:一人の政治家を“推し”として持ち上げすぎると、批判や検証の目が弱くなる
  • 分断をあおるリスク:推し・アンチの対立構図になりやすく、議論がエンタメ化する

こうした点を踏まえると、サナ活を楽しむにしても「政策の中身は別途きちんと読む」「他の情報源も見る」というバランス感覚が大切になります。

これからの広がり方

「サナ活」は、まだ2025年秋に出てきたばかりの言葉なので、今後どう定着するかはこれからです。ただし、

  • 政治家本人がSNSでの発信を続けるか
  • ファッションやコスメなど“マネしやすい”情報が今後も出るか
  • 支持層同士のコミュニティが楽しく続くか

といった条件がそろえば、「サナ活」は“高市早苗さんを推す活動”という定義を超えて、政治家を推す行為全般を指す言葉に広がる可能性もあります。たとえば今後、「○○活」として他の閣僚や若手議員を推す動きが続けば、「政治を推し活として楽しむ」という新しいスタイルが、若年層の政治参加の入口として定着するかもしれません。

まとめ

  • 「サナ活」とは、高市早苗首相を“サナ”と呼んで推す、政治版の推し活のこと
  • バッグやボールペン、コスメの“おそろ”投稿がSNSで増えたことが拡散のきっかけ
  • 政治に距離があった若い女性層にも届きやすい、ポップでライトな参加スタイル
  • 一方で、アイドル化が進みすぎると政策の中身が見えにくくなるという課題もある

このように「サナ活」は、2025年の日本で「政治をどうやってポップに語るか」「政治家をどうやって応援するか」というテーマに、一つの答えを提示した現象だといえます。

 

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