フードファディズム(food faddism)は、栄養学の合意や個人差、生活全体という文脈を無視して、特定の食品・栄養素・食べ方を過度に神格化したり、逆に悪魔化したりする流行・信念のことです。
典型的には次の要素を伴います。
結論として、健康は単一の食品では決まらず、「総量」「質」「多様性」「継続」「生活習慣(睡眠・運動・ストレス)」の組み合わせで左右されます。
フードファディズムは個別の商品名や流派こそ違っても、論法の型は似ています。
一般論としての注意点を付記します。疾患・妊娠授乳・薬服用・食物アレルギー等がある場合は必ず医療専門家の指示を優先してください。
Q1. デトックスは本当に不要?
A. 腎臓・肝臓・肺・皮膚・腸が常時老廃物処理をしています。特別な飲料やパッチで“毒素洗浄”はできません。排便・発汗・尿排泄を促す生活基盤(食物繊維・水分・運動・睡眠)が現実的です。
Q2. 砂糖は完全に悪?
A. “毒/無毒”の二分法ではなく、摂取量と頻度が本質。嗜好として楽しみつつ、日常の大半は未精製穀物・食物繊維・ゆるい甘味に。
Q3. 添加物は避けるべき?
A. 一律に悪ではありません。安全基準内の使用が前提です。むしろ料理の習慣・食事全体に目を向ける方が効果的です。
Q4. グルテンフリーは健康的?
A. 医療的理由がある人には必須。ただし全員に必要ではありません。自己判断での極端な制限は費用と栄養の偏りを招きます。
Q5. 断食やケトはどう位置づければ?
A. 合う人・目的・期間があります。体調や薬との相互作用があるため、医療者と計画し、数値と体調で評価しながら進めましょう。
Q6. 人工甘味料は?
A. 用量依存。置換が有用な場合もあるが、嗜好を“甘く”保つ副作用に注意。最終的には甘味全体の頻度を下げる。
Q7. フィチン酸はすべて悪?
A. 穀類・豆類の伝統的調理(浸水・発芽・発酵)で影響は軽減。バランス次第。
Q8. ヒスタミン不耐の食事は万人に有効?
A. 該当者には有用だが、一般化は不可。医療者と個別設計を。
Q9. ナス科やレクチンを完全排除すべき?
A. 個別の過敏・疾患がない限り、多様性の損失の方が不利益になりやすい。
Q10. 足裏シートや発汗で“毒”は出る?
A. 変色は化学反応や汗成分の影響。脂肪や“毒素”を直接排出するものではない。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としています。持病・治療中・妊娠授乳中・食物アレルギー等がある場合は、必ず医師・管理栄養士にご相談ください