みなさんは「地球温暖化」という言葉を聞いたことがありますか?
ニュースや授業で耳にしたり、インターネットやSNSでもよく目にする言葉だと思います。地球温暖化とは、地球全体の平均気温が少しずつ上がっていく現象のことです。これは自然に起こる部分もありますが、近年の急激な温暖化は、人間の活動によって加速しているといわれています。
この地球温暖化は、わたしたちの生活や自然にさまざまな影響を与えています。将来の世代が安心して暮らせる地球を残すために、今、地球温暖化の問題をしっかり理解し、どうすれば良いかを考えることがとても大切です。
この記事では、地球温暖化がどんな影響を与えているのかを、わかりやすくお伝えします。一緒に未来を守るためのヒントを探していきましょう!
地球温暖化の大きな原因は、二酸化炭素(CO₂)やメタン(CH₄)、亜酸化窒素(N₂O)などの温室効果ガスが増えていることです。これらのガスは地球を覆う“ふとん”のような働きをして、地表から出る熱を閉じ込め、地球をあたたかく保っています。
ところが、人間の活動によって温室効果ガスがどんどん増えすぎてしまい、本来のバランスがくずれてしまいました。その結果、地球全体の気温が少しずつ上がり続けているのです。
こうした原因で、地球の平均気温は過去100年でおよそ1.2℃上がったといわれています。一見、1℃くらいなら大したことがないように思えますが、地球規模で見るととても大きな変化です。
では、地球温暖化が進むと、どんな問題が起きるのでしょうか?ここからは具体的な地球温暖化の影響を紹介していきます。
最もわかりやすい地球温暖化の影響は、気温そのものの上昇です。地球の平均気温が上がることで、わたしたちの生活に次のような影響が出ています。
猛暑が続くと、高齢者や子どもたちが体調を崩しやすくなり、熱中症で救急搬送される人も増えています。日本では、毎年何万人もの人が熱中症で病院に運ばれているのです。
地球温暖化によって、南極や北極の氷が溶けています。テレビや写真で、氷が少なくなった北極の映像を見たことがある人も多いでしょう。
氷が溶けると、海に流れ込み、海面が上昇してしまいます。さらに、白い氷は太陽の光を反射しますが、氷が減ると海や陸の色が濃くなり、さらに熱を吸収しやすくなる「氷の悪循環」という問題も起こっています。
氷が溶けることや、温暖化で海水が膨張することによって、世界中の海面が上がっています。国連の報告によると、20世紀の間に約20cm、21世紀に入ってさらに上昇のスピードが加速しています。
もし海面が大きく上がり続けると、次のような問題が起きるおそれがあります。
モルディブやツバルなど、海抜の低い島国では、すでに海水が迫り、住む場所を失う人たちが出始めています。
地球温暖化の影響によって、異常気象が起きやすくなっていると言われています。最近、日本でも次のような現象が目立つようになりました。
たとえば集中豪雨によって、一度に大量の雨が降り、川が氾濫して街が水浸しになることがあります。逆に、雨が少なくなって作物が育たなくなる干ばつも深刻です。
地球温暖化の影響は、人間だけでなく、動物や植物にも及びます。気温が変わると、動物が暮らせる環境が変わり、絶滅の危機にさらされる種も出てきています。
サンゴ礁は魚たちのすみかでもありますが、海水温が高くなると白化して死んでしまい、海の生態系が大きく崩れるおそれがあります。
地球温暖化は、わたしたちの「食べ物」にも深刻な影響を与えています。気温が上がることで、作物が育ちにくくなったり、病害虫が増えたりするためです。
たとえば──
特に暑さや干ばつに弱い作物は深刻です。日本でも、米の品質低下が心配されています。また、海水温が上がることで、サケやサンマなど日本人がよく食べる魚が獲れにくくなってきています。
食べ物の値段が上がることで、暮らしへの影響も出ます。世界の飢餓問題もさらに深刻になり、多くの人が苦しむおそれがあります。
地球温暖化は、わたしたちの健康にも関係しています。
たとえば熱帯地域で広がっていた病気が、温暖化によって日本などの温帯地域でも広がる可能性があります。蚊が媒介するデング熱やジカ熱などがその例です。
さらに、暑さや大雨、洪水などの災害が増えることで、心のストレスも大きくなり、メンタルヘルス(心の健康)への影響も心配されています。
温暖化は環境の問題だけではありません。社会全体にもさまざまな問題を引き起こします。
海面上昇や干ばつで、住む場所を追われる人が増えています。こうした人たちを「気候難民」と呼びます。
今後、何千万人という人が移住を余儀なくされると予測されています。移住先でのトラブルや争いが起きる心配もあります。
地球温暖化は経済にも影響を与えます。
こうした影響は、特に発展途上国や小さな国にとって大きな負担です。温暖化を引き起こす責任は先進国に大きいのに、被害は発展途上国の方が深刻という「不公平さ」も問題になっています。
気候変動が進むと、国どうしの争いが起こりやすくなるという指摘もあります。
気候変動は「環境問題」であると同時に「人間の安全保障」の問題でもあるのです。
では、わたしたちはどうしたら良いのでしょうか?
地球温暖化を止めるには、温室効果ガスを減らすことが一番大切です。国や企業の取り組みも重要ですが、わたしたち一人ひとりにもできることがあります。
地球温暖化を止めるために、再生可能エネルギーの利用が重要です。例えば──
これらは発電するときにCO₂をほとんど出さないため、環境にやさしいエネルギーといわれています。未来の社会を支える大切な技術です。
地球温暖化は一国では解決できない問題です。世界全体で協力することが求められます。
未来を守るために、各国が話し合いを続けています。
地球温暖化はわたしたちにとって、とても大きな問題です。気温の上昇だけでなく、自然災害、生き物への影響、食料問題、経済、社会の安定など、さまざまなところに影響を及ぼします。
でも、希望はあります。
地球温暖化を止めるためには、今すぐ行動を始めることが大切です。国や企業の努力はもちろん、わたしたち一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、未来を守る力になります。
わたしたちの地球は、たったひとつしかありません。美しい自然や豊かな生き物たち、そして安心して暮らせる社会を次の世代に残すために、できることから始めていきましょう!