「エシカル消費」という言葉を聞いたことがありますか?
最近、テレビやSNS、雑誌などで取り上げられることが増え、注目を集めています。
でも「なんだか難しそう…」「自分には関係ないかも」と思っている方もいるかもしれません。
そこで今回は、「エシカル消費とは何か?」という基本から、わたしたちの生活とどんな関係があるのかをわかりやすくご紹介します。
エシカル(Ethical)とは英語で「倫理的な」という意味です。
つまり、**エシカル消費とは「人や社会、環境に配慮したモノやサービスの買い方」**を指します。
この概念は、1990年代のイギリスを中心に広まりました。世界中でサステナビリティへの関心が高まる中、日本でも徐々に浸透してきています。
これらすべてが、**人権・環境・地域社会などへの「やさしい選択」**なんです。
エシカル消費を実践するには、まず「エシカル商品」を知ることが第一歩。
以下に代表的な例を紹介します。
カテゴリ | エシカル商品の例 |
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食品 | フェアトレードのコーヒー、オーガニック野菜、地産地消の商品 |
衣類 | リサイクル素材のファッション、エコ認証付きの衣類 |
雑貨 | バンブー素材の歯ブラシ、障がい者が作った陶器、アップサイクル製品 |
コスメ | クルエルティフリーの化粧品、パーム油不使用の石けん、生分解性パッケージの商品 |
家電 | 省エネ性能の高い家電製品、長寿命設計の製品 |
サービス | エコ配送サービス、グリーンエネルギーによる電力契約 |
私たちの何気ない「買い物」は、地球の裏側の誰かの暮らしや、未来の環境に影響を与えています。
エシカル消費は、それに気づき「誰かの苦しみや環境破壊の上に成り立つモノを選ばない」という行動です。
たとえば、フェアトレードのチョコレートを買うことで、児童労働をなくす手助けになります。
環境にやさしい商品を選べば、CO₂の排出削減やごみの削減にもつながります。
さらに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献できます。エシカル消費は「つくる責任・つかう責任(SDGs目標12)」の実践に直結しているのです。
ただ、最近では大型スーパーやオンラインでも気軽に手に入るようになり、少しずつハードルが下がってきています。自治体や学校でもエシカル教育が進んでいる地域もあり、次世代への意識啓発にも期待が寄せられています。
エシカル消費は、完璧を目指さなくて大丈夫!
まずは**「買う前に少し立ち止まって考えること」**から始めてみてください。
「エシカルかどうか」をすべての判断基準にする必要はありません。できる範囲で選び、少しずつ習慣にすることが大切です。
最近では、多くの企業もエシカルな取り組みに力を入れています。例えば:
消費者がエシカルな行動をとることで、企業側も変化を求められ、結果として社会全体が動き出します。私たちは「社会を変える力」を持っているのです。
世界のカカオ生産地の多くでは、いまだに子どもたちが学校にも行けず働かされています。
フェアトレード認証のチョコレートを選ぶことで、児童労働のない持続可能な農業を支援できます。
イギリスでは「エシカル・コンビニ」や「ゼロ・ウェイストショップ」が都市部で人気。すべての商品がフェアトレード、オーガニック、リサイクル対応で、容器持参が当たり前です。
近年の五輪では、選手村で使用する食材や家具にエシカル商品が採用されるように。2020年東京五輪では持続可能な木材調達やフェアトレード製品の導入が進められました。
例:東京都豊島区や福岡市などは、地域ぐるみでエシカル消費を推進しようという「宣言」を行っています。学校教育や地元企業との連携も進行中です。
江戸時代の庶民は壊れた道具を修理して使い、布もパッチワークして再利用。現代の「エシカル」「サステナブル」な考え方は、実は日本の昔の暮らしにも通じているのです。
エシカル消費とは、「思いやりのある選択」をすること。
社会問題や環境問題は、決して遠い世界の話ではありません。
毎日の買い物の中にこそ、私たち一人ひとりが未来を変えるチャンスがあるのです。
できることから少しずつ。買い物を通して世界を良くしていきましょう。