駅や歩道などで見かける「点字ブロック」。黄色くてでこぼこしたタイル状のものが、私たちの身の回りに意外とたくさん存在しています。この記事では、点字ブロックの役割や種類、その背後にあるユニバーサルデザインの考え方について解説します。
ユニバーサルデザインの点字ブロック(英語:tactile paving)は、視覚に障害のある人々が安全に歩行できるように設計された誘導・警告表示の舗装ブロックです。
進行方向を示すためのブロック。並行に配置された突起が特徴。
交差点や階段の前など、「注意が必要な場所」を示すブロック。
この2種類を組み合わせて、利用者が自立して移動できるようになっています。
ユニバーサルデザインとは、「年齢や障害の有無にかかわらず、誰にとっても使いやすい設計」のこと。点字ブロックはその代表例のひとつです。
✅ 視覚障害者への安全確保:白杖(はくじょう)や足裏の感覚で道順を把握可能
✅ 色によるコントラスト:視覚に残存能力がある人にも見えやすいように、地面とのコントラストを重視(通常は黄色)
✅ 位置や配置のルール化:誰でも同じように利用できるよう全国で統一された配置基準が存在
点字ブロックはただ敷くだけではなく、多くの“工夫”がされています。
ユニバーサルデザインの代表例でもある点字ブロックは多くの場所で設置が進んでいますが、まだ課題もあります。
❗誤設置:線状ブロックが斜めや逆向きに敷かれているケース
❗バリアとの矛盾:点字ブロックの上に看板・自転車などの障害物が置かれることがある
❗滑りやすさ:雨の日に滑りやすくなる素材の問題
🌱素材改良による滑り防止
🌐IoTとの連携(ブロックに埋め込んだセンサーで、スマホへ案内を送信)
🏛️設置義務の徹底と市民意識の向上
黄色くてボコボコしてるけど、実はとても奥深い!
私たちの足元にある「点字ブロック」にまつわる知られざる雑学・トリビアを紹介します。
点字ブロックは、世界で初めて日本で発明されたもの。考案者は岡山県の発明家・三宅精一氏で、1965年に「視覚障害者が安全に歩けるように」と、最初は病院の近くに設置されました。
➡ 世界中で使われるようになった「ユニバーサルデザインの元祖」とも言えます。
黄色は「色覚に障害がある人にも見えやすい色」とされており、晴れの日も曇りの日も、コントラストが目立つよう設計されています。
➡ 一部の地域では景観に配慮して灰色や白も使われていますが、基本は黄色が国際基準。
最初に点字ブロックが敷設されたのは、岡山市内の川崎病院前の歩道。
➡ この場所には今も「点字ブロック発祥の地」と書かれた記念碑があります!
点字ブロックは視覚障害者だけでなく、高齢者、外国人、認知症の方、子ども連れにも役立っています。
➡ 「どこを歩けば安全か」が分かりやすくなり、道案内としての役割も果たしています。
素材や表面加工により、滑り止め機能が向上したタイプも登場。
➡ 最近では、雨水をはじく形状や、雪の中でも感知しやすいものも開発されています。
点字ブロックの下にICタグを埋め込み、スマホに道案内を送るシステムが実証実験中!
➡ まさに、デジタルとユニバーサルデザインの融合。
点字ブロックは単なる設備ではなく、誰もが安心して歩ける社会を目指す“やさしさの形”です。
道に敷かれたこの黄色いガイドは、「ここを通ってください」「ここは注意してください」と無言の案内をしてくれています。ユニバーサルデザインの理念を、私たちが日常で目にし、意識できる代表的な存在です。
点字ブロックを見かけたら、少しだけ立ち止まって、その意味と背景を感じてみてはいかがでしょうか。