June 18, 2025
縄文時代(約1万3千年前〜約2,300年前)は、日本の先史時代において、狩猟・採集・漁労を中心に自然と調和した生活を送っていた時代です。縄文土器や集落遺跡の研究が進む中で、当時の「衣(服装)」についても徐々にその姿が明らかになってきました。本記事では、縄文時代の人々がどのような服装をしていたのか、素材・形状・装飾などに焦点を当てて解説します。
縄文人の衣服は、布地というよりも自然素材を直接加工したものが主流でした。主な素材には以下のようなものが使われていました。
縄文時代の服は、今のように縫製された衣服ではなく、布状または皮状のものを体に巻き付けて使用していたと考えられています。
縄文人は装飾にもこだわりがあったとされ、さまざまなビーズやネックレス、耳飾りなどを身につけていました。
縄文時代は今よりも寒冷な時期も多く含まれていたため、冬季には防寒のために獣皮を多く用いた服装がされていたと考えられます。特に北海道など寒冷な地域の遺跡では、皮を利用した防寒具の使用が示唆されています。
縄文時代の服装を知る手がかりは限られていますが、以下のような遺物から推測されています。
日本列島は南北に長く、気候も多様でした。そのため、地域ごとに服装に差異があったと考えられています。
縄文時代にも、性別や年齢による服装の違いがあった可能性があります。
縄文時代の服装は、自然素材を活かし、季節や環境に応じた実用性と美的感覚が融合したスタイルでした。布や皮を使い、装飾をほどこすことで、単なる“身を覆うもの”から“個性や集団の象徴”へと進化していったのです。
現代人の私たちにとって、縄文時代の服装はファッションの原点とも言える存在。服飾文化の始まりを感じさせる、奥深いテーマですね。