Japan Luggage Express
Japan Luggage Express Ltd.

ユニバーサルデザイン・身近な例

ユニバーサルデザインの身近な例|日常生活で見つかる工夫をわかりやすく解説

ユニバーサルデザインとは?

ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、身体の状態、言語、文化、能力の違いなどにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいように考えられたデザインのことです。

「ユニバーサル」という言葉には、「すべての人に共通する」「広く行き渡る」といった意味があります。つまりユニバーサルデザインは、特定の人だけを対象にした特別なデザインではなく、最初から多くの人が利用しやすいように考えられた工夫だと言えます。

たとえば、自動ドア、点字ブロック、低床バス、ピクトグラム、シャンプーボトルのギザギザなどは、身の回りにあるユニバーサルデザインの代表的な例です。普段は意識しないかもしれませんが、私たちは毎日の生活の中で、さまざまなユニバーサルデザインの恩恵を受けています。

バリアフリーとユニバーサルデザインの違い

ユニバーサルデザインを理解するうえで、よく混同されやすい言葉に「バリアフリー」があります。どちらも、誰もが暮らしやすい社会を目指す考え方ですが、少し違いがあります。

バリアフリーは、すでに存在している不便や障壁を取り除く考え方です。たとえば、階段しかない場所にあとからスロープを設置する、段差をなくす、手すりを追加する、といった取り組みがバリアフリーにあたります。

一方、ユニバーサルデザインは、最初からできるだけ多くの人が使いやすいように設計する考え方です。あとから不便を取り除くのではなく、設計の段階から「誰にとっても使いやすいか」を考える点に特徴があります。

もちろん、実際の生活の中では、バリアフリーとユニバーサルデザインが重なっている場合も多くあります。大切なのは、どちらも「一部の人だけでなく、より多くの人が安心して利用できる社会をつくる」という目的を持っていることです。

公共施設や交通機関にあるユニバーサルデザインの例

まずは、駅、道路、商業施設、公共施設などで見かけるユニバーサルデザインの例を紹介します。外出時に目にするものが多いため、身近に感じやすい分野です。

自動ドア

ユニバーサルデザインの例である自動ドアの前にいる猫

自動ドアは、身近なユニバーサルデザインの代表例です。商業施設、駅、病院、公共施設など、さまざまな場所で見かけます。

自動ドアの便利な点は、手でドアを開ける必要がないことです。両手に荷物を持っている人、ベビーカーを押している人、車椅子を利用している人、杖を使っている人などにとって、出入りがとても楽になります。

また、手を触れずに通れるため、衛生面でもメリットがあります。多くの人が利用する施設では、誰にとっても使いやすく、負担を減らすデザインだと言えます。

低床バス・ノンステップバス

低床バスやノンステップバスのイメージ

低床バスやノンステップバスは、乗り降りの段差をできるだけ少なくしたバスです。以前のバスは乗降口に段差があり、高齢者や足腰に不安のある人にとって乗り降りが大きな負担になることがありました。

ノンステップバスでは、車内の床が低く設計されているため、車椅子利用者、ベビーカーを押す人、小さな子ども、高齢者、足をけがしている人などが利用しやすくなります。

また、健康な人にとっても、重い荷物を持っている時や雨の日などには、段差が少ないことのありがたさを感じる場面があります。特定の人だけでなく、多くの人の移動を支えるユニバーサルデザインの例です。

多機能トイレ・だれでもトイレ

多機能トイレやバリアフリートイレの例

多機能トイレは、駅、商業施設、病院、公共施設などで見かける設備です。「だれでもトイレ」と呼ばれることもあります。

通常のトイレよりも広いスペースが確保されており、車椅子利用者が方向転換しやすいように設計されています。また、手すり、ベビーシート、オストメイト対応設備、フィッティングボードなどが設置されている場合もあります。

このようなトイレは、車椅子利用者だけのためのものではありません。乳幼児を連れた保護者、高齢者、着替えが必要な人、体調に不安がある人など、さまざまな人が安心して利用できます。

ただし、多機能トイレは必要としている人が多いため、一般のトイレを利用できる場合は、必要な人が使いやすいように配慮することも大切です。

点字ブロック

駅や歩道に設置された点字ブロック

駅のホームや歩道で見かける黄色いブロックは、点字ブロックと呼ばれます。正式には「視覚障害者誘導用ブロック」と呼ばれることもあります。

点字ブロックには、進む方向を知らせる線状のものと、注意を促す点状のものがあります。線状ブロックは移動方向を示し、点状ブロックは階段、横断歩道、ホームの端、分岐点など、注意が必要な場所を知らせます。

視覚障がいのある人にとって、点字ブロックは安全に移動するための重要な手がかりです。また、視覚に問題がない人にとっても、駅のホームの端や交差点付近など、注意すべき場所を意識するきっかけになります。

点字ブロックの上に自転車や荷物を置くと、必要としている人の移動を妨げてしまいます。そのため、点字ブロックは「歩くための案内表示」であると理解し、ふさがないことが大切です。

エレベーターの押しボタン

ユニバーサルデザインに配慮されたエレベーターの押しボタン

エレベーターの押しボタンにも、ユニバーサルデザインの工夫が見られます。

たとえば、ボタンが低い位置にも設置されている場合、車椅子を利用している人や小さな子どもでも操作しやすくなります。また、ボタンに点字が併記されていたり、押したことがわかるランプや音がついていたりすることもあります。

さらに、階数やドアの開閉を音声で知らせるエレベーターもあります。これは、視覚に障がいのある人だけでなく、初めて訪れた場所で階数を確認したい人にとっても便利です。

このように、エレベーターのボタンや音声案内は、さまざまな利用者が安心して移動できるように考えられています。

音声案内付きの信号機

音声案内付き信号機のある横断歩道

交差点で青信号になると、「カッコー」「ピヨピヨ」といった音が流れる信号機があります。これは、視覚障がいのある人が信号の色を確認できない場合でも、音によって横断できるタイミングを知るための工夫です。

音の種類によって横断方向を区別できる場合もあります。たとえば、東西方向と南北方向で異なる音を使うことで、どちらの方向の横断が可能なのかを伝えることができます。

音声案内付き信号機は、視覚情報だけに頼らず、音でも情報を伝えるデザインです。これは、情報を複数の方法で伝えるユニバーサルデザインの考え方に合っています。

広い通路幅

商業施設、駅、病院、公共施設などで通路が広く設計されていることがあります。これは単に見た目を広々とさせるためだけではありません。

通路が広いと、車椅子やベビーカーを利用する人が通りやすくなります。また、人と人がすれ違う時にもぶつかりにくく、混雑時の移動もスムーズになります。

大きな荷物を持っている人、杖を使っている人、子どもを連れた人にとっても、通路の広さは安心感につながります。広い通路は、多くの人がストレスなく移動するための基本的なユニバーサルデザインです。

スロープや手すり

スロープを利用する車椅子の人

階段だけでなく、スロープが設置されている場所も増えています。スロープがあると、車椅子利用者やベビーカーを押している人が移動しやすくなります。

また、重いスーツケースを持っている人、足をけがしている人、高齢者にとっても、スロープは大きな助けになります。

手すりも重要なユニバーサルデザインの一つです。階段やスロープに手すりがあることで、足元が不安な人でも身体を支えながら移動できます。特に高齢者や小さな子どもにとっては、転倒を防ぐ役割があります。

交通機関の次駅案内表示

電車やバスでは、次の駅名や停留所名が画面に表示されたり、音声で案内されたりします。これもユニバーサルデザインの身近な例です。

音声案内があれば、画面を見ていない人や視覚に障がいのある人にも情報が伝わります。一方、文字表示があれば、聴覚に障がいのある人や、車内放送が聞き取りにくい人にも情報が伝わります。

また、初めてその地域を訪れた人や外国人観光客にとっても、次にどこで降りればよいかを確認しやすくなります。情報を音と文字の両方で伝えることは、多くの人にとって安心につながります。

駐車場における幅広駐車スペース

商業施設や病院などの駐車場には、通常よりも幅が広く取られた駐車スペースがあります。これは、車椅子利用者が車に乗り降りする際に、ドアを大きく開けられるようにするためのものです。

また、介助が必要な人、足腰に不安がある人、妊娠中の人、小さな子どもを乗せ降ろしする人にとっても、広いスペースは便利です。

ただし、このような駐車スペースは必要としている人のために設けられています。誰もが使いやすい社会にするためには、設備を整えるだけでなく、利用する側の配慮も重要です。

家庭や日用品にあるユニバーサルデザインの例

ユニバーサルデザインは、駅や公共施設だけにあるものではありません。家庭で使う日用品や住宅設備にも、多くの工夫が取り入れられています。

シャンプーとリンスのギザギザ

シャンプーボトル側面のギザギザの例

シャンプーボトルの側面やポンプ部分には、ギザギザがついていることがあります。これは、目を閉じている状態でもシャンプーとリンスを区別しやすくするための工夫です。

お風呂では、髪を洗っている時に目を閉じることが多くあります。また、視力が弱い人や、メガネを外して入浴している人にとっても、ボトルの文字を読むことは難しい場合があります。

触っただけでシャンプーだとわかるギザギザは、視覚に頼らず情報を伝えるユニバーサルデザインです。視覚障がいのある人だけでなく、誰にとっても便利な工夫だと言えます。

レバー式の蛇口

レバー式の蛇口で手を洗う女性

昔ながらの蛇口は、丸いハンドルをひねって水を出すものが多くありました。しかし、ひねる動作にはある程度の握力が必要です。

レバー式の蛇口であれば、軽い力で水を出したり止めたりできます。手のひら、指先、場合によっては手首などでも操作しやすいため、握力が弱い人や手が不自由な人にも使いやすい設計です。

また、料理中で片手がふさがっている時や、手が汚れている時にも便利です。誰にとっても使いやすい日用品のユニバーサルデザインと言えます。

ワンハンドル水栓

ワンハンドル水栓は、水量と温度を一つのレバーで調整できる水栓です。キッチンや洗面所、浴室などでよく使われています。

左右に動かして温度を調整し、上下に動かして水量を調整できるタイプが多く、直感的に操作しやすいことが特徴です。

お湯と水を別々のハンドルで調整する必要がないため、細かい操作が苦手な人にも使いやすくなります。また、急に熱いお湯が出るリスクを減らすことにもつながります。

フタの開けやすい容器

食品容器、ペットボトル、調味料のボトル、缶詰などには、開けやすさを考えた工夫が取り入れられているものがあります。

たとえば、軽い力で開けられるフタ、指をかけやすいプルタブ、片手でも開けやすいキャップなどです。こうした工夫は、握力が弱い高齢者や子ども、手にけがをしている人にとって役立ちます。

また、健康な人でも、急いでいる時や料理中に手がぬれている時など、開けやすい容器の便利さを感じることがあります。小さな工夫ですが、日常生活のストレスを減らすユニバーサルデザインです。

ノンラッチ錠・軽い力で開閉できるドアノブ

ドアノブや錠前にも、ユニバーサルデザインの考え方が取り入れられることがあります。ノンラッチ錠は、強くひねったり押し込んだりしなくても、軽い力でドアを開け閉めしやすい仕組みです。

握力が弱い高齢者、小さな子ども、手にけがをしている人にとって、ドアノブの操作は意外と負担になることがあります。軽い力で操作できるドアは、日常生活を楽にしてくれます。

また、災害時や緊急時には、誰もがすばやく避難できることが大切です。普段の使いやすさだけでなく、安全面でも意味のある工夫です。

マグネット式キャッチのドア

マグネット式キャッチのドアは、磁石の力で扉を軽く固定する仕組みです。扉が勢いよく閉まるのを防いだり、半開きの状態を減らしたりする目的で使われることがあります。

小さな子どもがいる家庭や施設では、指を挟む事故を防ぐ工夫として役立つ場合があります。また、強い力でドアを閉めなくてもよいため、力の弱い人にも扱いやすい場合があります。

すべてのマグネット式キャッチがユニバーサルデザインとして作られているわけではありませんが、安全性や扱いやすさに配慮した住宅設備の一例として考えることができます。

滑りにくい床材

駅、病院、商業施設、学校、住宅などでは、滑りにくい床材が使われていることがあります。特に雨の日や水を使う場所では、床が滑りやすくなるため、転倒防止の工夫が重要です。

滑りにくい床は、高齢者、子ども、足腰に不安のある人にとって安心につながります。また、健康な人でも、濡れた床で転びそうになった経験がある人は多いでしょう。

転倒は大きなけがにつながることもあります。そのため、滑りにくい床材は、誰もが安全に歩くための身近なユニバーサルデザインの例です。

背もたれ付きのベンチ

背もたれ付きのベンチや椅子の例

公園、駅、バス停、商業施設などにある背もたれ付きのベンチも、身近なユニバーサルデザインとして考えることができます。

背もたれがあると、座った時に姿勢を安定させやすくなります。高齢者、疲れやすい人、体調がすぐれない人にとって、安心して休める場所があることは大切です。

また、肘掛けがあるベンチの場合、立ち上がる時に体を支えやすくなります。単なる休憩場所に見えても、形や高さ、背もたれの有無によって、使いやすさは大きく変わります。

高さ調節可能なカウンターやテーブル

飲食店、役所の窓口、受付、学校、福祉施設などでは、高さを調節できるカウンターやテーブルが使われることがあります。

カウンターの高さが固定されていると、車椅子利用者や子どもにとって使いにくい場合があります。高さを調整できれば、利用者の体格や姿勢に合わせやすくなります。

これは、サービスを受ける人だけでなく、働く人にとっても使いやすい設計です。さまざまな人が同じ場所を無理なく使えるようにする点で、ユニバーサルデザインの考え方に合っています。

情報をわかりやすく伝えるユニバーサルデザインの例

ユニバーサルデザインは、ものの形だけでなく、情報の伝え方にも関係しています。文字、色、音、記号などを工夫することで、より多くの人に情報が伝わりやすくなります。

大きな文字やコントラストの効いた表示

駅の案内板、病院の表示、公共施設の掲示、商品のパッケージなどでは、大きな文字や見やすい配色が使われることがあります。

文字が小さすぎたり、背景と文字の色が似ていたりすると、情報を読み取りにくくなります。特に高齢者、弱視の人、遠くから表示を見る人にとって、文字の大きさやコントラストは重要です。

たとえば、白い背景に薄い黄色の文字では読みにくいですが、背景と文字の明るさに差があると読みやすくなります。見やすい表示は、誰にとっても情報を正確に理解しやすくする基本的なユニバーサルデザインです。

誘導表示・ピクトグラム

公共施設で使われるピクトグラム表示の例

トイレ、非常口、エレベーター、案内所、喫煙所、駐車場などを示すピクトグラムは、言葉を使わずに情報を伝えるための記号です。

ピクトグラムの良い点は、文字が読めない人や、その国の言葉がわからない人にも意味が伝わりやすいことです。外国人観光客、子ども、高齢者などにとっても、直感的に理解しやすい表示です。

特に空港、駅、商業施設、観光地など、多くの人が利用する場所では、ピクトグラムが大きな役割を果たします。言語の壁を越えて情報を伝える、ユニバーサルデザインの代表的な例です。

ユニバーサルデザインフォント

ユニバーサルデザインフォントとは、できるだけ多くの人が読みやすいように設計された文字の書体です。読み間違いを減らし、視認性を高める工夫がされています。

たとえば、数字の「1」とアルファベットの「I」や「l」、数字の「0」とアルファベットの「O」などは、形が似ていて見間違いやすい文字です。ユニバーサルデザインフォントでは、こうした文字の違いがわかりやすくなるようにデザインされています。

教科書、公共表示、案内板、商品の説明書、ウェブサイトなどで読みやすいフォントを使うことは、多くの人に正確な情報を届けるために重要です。

色覚バリアフリー・カラーユニバーサルデザイン

色覚には個人差があります。そのため、赤と緑、青と紫など、色の組み合わせによっては区別しにくい人もいます。

カラーユニバーサルデザインでは、色だけに頼らず、形、模様、文字、線の種類なども組み合わせて情報を伝えます。たとえば、グラフで色分けをする場合、色だけでなく線の太さや模様を変えると、より多くの人が内容を理解しやすくなります。

地図、路線図、案内板、学校の教材、プレゼン資料などでも、色覚の多様性に配慮することは大切です。情報が正しく伝わることは、安全や学習、仕事にも関わります。

公共施設のAED設置場所のわかりやすい表示

AEDは、心停止などの緊急時に使われる重要な機器です。そのため、どこに設置されているかをすぐに見つけられることが大切です。

公共施設、駅、学校、商業施設などでは、AEDの設置場所を示す表示が大きく掲示されていることがあります。色やピクトグラムを使い、遠くからでも見つけやすくする工夫がされています。

緊急時には、落ち着いて探す時間がありません。誰でもすばやく場所を理解できる表示は、人の命を守るためのユニバーサルデザインだと言えます。

災害時の多言語対応情報

災害時には、避難情報、避難所の場所、交通機関の状況、危険区域などの情報を正確に伝える必要があります。

日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語、やさしい日本語などで情報を提供することは、在留外国人や旅行者の安全を守るうえで重要です。

また、文字だけでなく、地図、ピクトグラム、音声、スマートフォン通知など、複数の方法で情報を伝えることも大切です。災害時の多言語対応は、命に関わる情報を多くの人に届けるためのユニバーサルデザインです。

買い物やサービスに関わるユニバーサルデザインの例

買い物や各種サービスの場面にも、ユニバーサルデザインの工夫があります。支払い、機械操作、受付など、日常的な行動をしやすくするための例を見ていきます。

自動販売機の取り出し口

自動販売機の中には、飲み物の取り出し口が低すぎず、高すぎず、取り出しやすい位置に設計されているものがあります。

取り出し口が極端に低いと、かがむのが大変な人にとって負担になります。一方で、高すぎると、車椅子利用者や背の低い人、小さな子どもには届きにくくなります。

そのため、取り出しやすい高さや、商品をつかみやすい形状にすることは、多くの人にとって使いやすい自動販売機をつくるうえで重要です。

コイン投入口の工夫

券売機や自動販売機のコイン投入口には、硬貨を入れやすくするための工夫が見られることがあります。

投入口が小さすぎたり、角度がわかりにくかったりすると、手の震えがある人や細かい作業が苦手な人にとって使いにくくなります。投入口を大きくしたり、硬貨を滑らせるように入れられる形にしたりすることで、操作の負担を減らせます。

これは一見小さな工夫ですが、急いでいる時や後ろに人が並んでいる時の焦りを減らす効果もあります。機械を使う時のストレスを軽くするユニバーサルデザインです。

非接触型決済システム

非接触型決済やQRコード決済を利用する様子

電子マネー、クレジットカードのタッチ決済、QRコード決済などの非接触型決済は、現金を出し入れする必要が少ない支払い方法です。

小銭を数えるのが苦手な人、手先の細かい動作が難しい人、視力が弱く硬貨を見分けにくい人にとって、キャッシュレス決済は便利な場合があります。

また、レジでの支払い時間を短縮できるため、混雑緩和にもつながります。衛生面でも、現金の受け渡しを減らせるという利点があります。

ただし、スマートフォンやカードの操作に慣れていない人もいるため、現金払いも含めて複数の選択肢があることが、より多くの人にとって使いやすい仕組みにつながります。

キャッシュレス決済端末の音声ガイド

キャッシュレス決済端末の中には、操作方法や決済完了を音声で案内するものがあります。

画面表示だけでは、視覚に障がいのある人や、画面が見えにくい人にとって情報が伝わりにくい場合があります。音声でも案内されれば、操作の流れや支払い完了を確認しやすくなります。

また、機械操作に慣れていない人にとっても、音声案内があることで安心して使える場合があります。視覚情報と音声情報を組み合わせることは、情報を多くの人に届けるうえで有効です。

手書き文字対応のタッチパネル

公共施設の受付機、検索端末、案内端末などでは、タッチパネルを使って文字を入力する場面があります。

キーボード入力に慣れていない人にとって、ローマ字入力やかな入力は難しく感じることがあります。そのような場合、手書き入力に対応していると、紙に文字を書く感覚で操作しやすくなります。

高齢者や機械操作に不慣れな人にとって、直感的に使える入力方法があることは大切です。複数の入力方法を用意することは、利用者の幅を広げるユニバーサルデザインの考え方に合っています。

医療・教育・福祉に関わるユニバーサルデザインの例

医療や教育の分野では、情報のわかりやすさや安全性が特に重要です。ここでもユニバーサルデザインの考え方が役立ちます。

点字付きの薬のパッケージ

薬のパッケージに点字や識別しやすい表示があると、視覚に障がいのある人が薬を確認しやすくなります。

薬は、種類や量を間違えると健康に影響する可能性があります。そのため、利用者自身が確認しやすい表示にすることは、安全性を高めるうえで重要です。

また、文字を大きくする、色分けする、形を区別しやすくするなどの工夫も、薬の誤使用を防ぐ助けになります。医療分野では、わかりやすい表示そのものが安心につながります。

ユニバーサルデザイン絵本

ユニバーサルデザイン絵本とは、さまざまな子どもが読書を楽しめるように工夫された絵本です。

たとえば、文字が大きく読みやすい、点字が併記されている、絵の輪郭がはっきりしている、手話のイラストがある、音声と組み合わせて楽しめるなどの工夫があります。

読書は、子どもにとって知識や想像力を広げる大切な体験です。読む力や見る力、聞く力に違いがあっても、できるだけ多くの子どもが本に親しめるようにすることは、教育におけるユニバーサルデザインの一つです。

触覚マーカー付きの点字シート

電車の優先席や公共施設の座席などでは、座席の種類や場所を触覚で識別しやすくする工夫が取り入れられることがあります。

たとえば、座席の素材や突起、マークなどによって、視覚に頼らなくても情報を得られるようにする方法です。視覚障がいのある人が、自分のいる場所や座席の種類を確認しやすくなります。

このような工夫は、どこにでも一般的にあるものではありませんが、触覚によって情報を伝えるアクセシビリティの一例として考えることができます。

音量調整機能付きの公共放送

駅や空港、公共施設では、アナウンスによって情報が伝えられます。しかし、音が大きすぎると不快に感じる人がいる一方で、音が小さすぎると聞き取りにくい人もいます。

近年は、スマートフォンや専用機器、イヤホンなどを通じて、必要な情報を自分に合った音量で受け取れる仕組みが導入される場合もあります。

すべての公共空間で一般化しているわけではありませんが、聴覚の状態や感じ方の違いに配慮し、情報を受け取りやすくする工夫として、ユニバーサルデザインの考え方に通じます。

なぜユニバーサルデザインが大切なのか

ユニバーサルデザインが大切なのは、誰にとっても「使いやすさ」が必要になる場面があるからです。

たとえば、普段は階段を問題なく使える人でも、足をけがした時にはスロープやエレベーターのありがたさを感じます。重い荷物を持っている時には、自動ドアや広い通路が便利です。小さな文字が読みにくい時には、大きく見やすい表示が助けになります。

つまり、ユニバーサルデザインは、障がいのある人や高齢者だけのためのものではありません。年齢を重ねること、けがをすること、旅行先で言葉がわからないこと、子どもを連れて移動することなど、誰もが何らかの不便を感じる可能性があります。

そのような時、最初から多くの人が使いやすいように設計されていれば、社会全体の暮らしやすさが高まります。ユニバーサルデザインは、特別な配慮ではなく、誰もが安心して生活するための土台だと言えます。

ユニバーサルデザインは未来への投資

ユニバーサルデザインは、これからの社会にとってますます重要になる考え方です。日本では高齢化が進み、外国人観光客や在留外国人も増えています。また、働き方や生活スタイルも多様化しています。

このような社会では、「平均的な利用者」だけを想定した設計では、多くの人が不便を感じる可能性があります。年齢、身体の状態、言語、文化、生活環境が異なる人でも利用しやすい製品やサービスが求められます。

企業にとっても、ユニバーサルデザインを取り入れることは大きな意味があります。より多くの人が使いやすい商品やサービスは、利用者の満足度を高め、選ばれやすくなります。

自治体や公共施設にとっても、ユニバーサルデザインは重要です。誰もが移動しやすく、情報を得やすく、安心して利用できる街づくりは、地域全体の暮らしやすさにつながります。

ユニバーサルデザインは、単なる親切や思いやりではありません。多くの人が社会に参加しやすくなる環境を整える、未来への投資でもあります。

身の回りにあるユニバーサルデザインに目を向ける

ユニバーサルデザインは、特別な場所だけにあるものではありません。駅、学校、道路、家庭、商業施設、病院、公共施設、日用品など、身近な場所に数多く取り入れられています。

自動ドア、シャンプーボトルのギザギザ、点字ブロック、ピクトグラム、低床バス、レバー式の蛇口などは、普段の生活に自然に溶け込んでいるため、意識しないと気づきにくいかもしれません。

しかし、こうした工夫に目を向けると、社会の中には多くの人が使いやすいように考えられたデザインがたくさんあることがわかります。

ユニバーサルデザインを知ることは、身近なものを新しい視点で見るきっかけになります。そして、誰もが暮らしやすい社会について考える第一歩にもなります。

まとめ

ユニバーサルデザインとは、年齢、性別、身体の状態、言語、文化などの違いにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいように考えられたデザインです。

身近な例としては、自動ドア、低床バス、多機能トイレ、点字ブロック、エレベーターの押しボタン、音声案内付き信号機、シャンプーボトルのギザギザ、レバー式の蛇口、ピクトグラム、ユニバーサルデザインフォント、カラーユニバーサルデザインなどがあります。

これらは、特定の人だけのためではなく、多くの人にとって便利で安全な工夫です。普段は気づかないような小さな配慮が、生活のしやすさや安心につながっています。

ユニバーサルデザインは、誰もが同じように社会に参加しやすくなるための大切な考え方です。身の回りのデザインに目を向けることで、暮らしやすい社会をつくるために何が必要なのかを考えるきっかけになります。

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