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京都修学旅行・SDGsをテーマに

京都修学旅行・SDGsをテーマに

京都で学ぶSDGs修学旅行:未来を考える実践的な学びの旅

修学旅行といえば、どのようなイメージを思い浮かべますか?歴史ある名所の見学、地元グルメの堪能、友人たちと過ごすかけがえのない時間——どれも修学旅行の魅力の一部でしょう。しかし、近年の教育現場では、こうした体験に加えて、次世代の学びにつながる「未来を見据えた修学旅行」が重視されるようになってきました。そこで注目されているのが、**SDGs(持続可能な開発目標)**をテーマとした教育旅行です。

地球規模の環境問題や社会的不平等、貧困、格差など、私たちが直面している多くの課題は、決して他人事ではありません。これらの問題に対して「自分だったら何ができるか?」を考え、実際に行動できる力を育てることが、現代の教育において非常に重要となっています。そんな中、長い歴史と伝統を持ち、常に新しい挑戦を続ける古都・京都が、SDGs教育の舞台として高く評価されているのです。

本記事では、京都で展開されているSDGs修学旅行の中でも、特に注目を集める**「Q都(きゅーと)スタディトリップ」**について、内容や教育的意義を詳しく紹介します。伝統と革新が交差する京都の地で、生徒たちがどのようにして持続可能な社会づくりの一歩を踏み出すのか、その全貌に迫ります。


Q都スタディトリップとは?

知識を超え、「気づき」から「行動」へとつなげる探究型SDGsプログラム

京都市が中心となって進めている「Q都スタディトリップ」は、教育委員会、観光部門(MICE推進室)、そして観光関連事業者などと協力して構築された、先進的な探究型学習プログラムです。その特徴は、ただSDGsの知識を習得するだけでなく、「なぜそうなのか?」という根源的な疑問からスタートし、最終的に「自分には何ができるのか?」というアクションにつながる思考プロセスを育てることにあります。

このプログラムが優れているのは、事前学習、現地での体験、そして事後の振り返りまでを一貫して設計している点です。学校での事前学習では、SDGsに関する基礎的な理解を深め、その上で京都を訪れ、現場で実際の課題に触れる体験学習を行います。さらに、帰校後にはその体験を整理し、発表することで、学びがしっかりと定着する流れになっています。

なぜ舞台が京都なのか——それは、京都が歴史的に自然との共生、資源の有効活用、文化の継承といったSDGsの理念と共通する要素を数多く備えているからです。伝統産業が現代の課題に挑む姿勢、地域が抱える問題に取り組む住民の姿など、生きた教材がまさに京都の至る所にあるのです。


京都でのSDGs体験プログラムを深掘り

多様な視点で未来と向き合う学びの現場とは?

1. 脱炭素社会への取り組み:EVタクシーで巡る「歩くまち・京都」

京都市は、国から「脱炭素先行地域」として選ばれ、持続可能な都市づくりを進めています。そうした取り組みを体感する手段として導入されているのが、EV(電気自動車)タクシーの利用です。生徒たちは、静かでクリーンな走行を体験するだけでなく、移動手段そのものが環境配慮であることを実感します。

このプログラムでは、EVタクシーに乗って、寺社や大学、企業などが行っている脱炭素アクションの現場を見学。単なるエコという枠を超え、「どのようにして地域の景観や文化を未来へ引き継ぐか?」という視点で学びを深めます。再生可能エネルギーの利用や建築物の工夫などを実際に目で見て学ぶことで、環境問題をより具体的に理解するきっかけとなります。


2. 伝統文化の継承と多様性の学び:舞妓との交流体験

京都の文化を象徴する存在である舞妓さんとの交流は、生徒にとって忘れがたい体験となります。舞妓さんの舞を間近で見て、会話を交わすことを通じて、伝統文化がどのように守られ、引き継がれているのかを実感します。こうした学びは、SDGsの中でも**目標11「住み続けられるまちづくりを」や、目標4「質の高い教育をみんなに」**に繋がります。

また、舞妓という職業に就くための道のりや、そこに込められた思いを知ることは、職業観の形成にも大きな影響を与えます。「自分の道を選ぶ自由」や「多様な生き方の尊重」といったSDGsの価値を、伝統文化の中で体感できる非常に意義深いプログラムです。


3. 現代社会の課題を見つめる:お寺・観光地に学ぶ地域とのつながり

京都の修学旅行では、観光名所としてのお寺ではなく、地域社会に根差した機関としてのお寺に着目します。たとえば、実際に僧侶の方から、地域で直面している課題(高齢化、過疎化、孤立など)を学ぶ機会があります。また、お寺が福祉や防災などに果たす役割についても掘り下げて学ぶことができます。

さらに、観光地でのごみ問題にも着目したプログラムも存在します。祇園や嵐山などでの清掃活動や、ごみ拾いをSNSで発信する取り組みを通して、プラスチックごみやポイ捨てが環境に与える影響を肌で感じることができます。このような活動を通じて、生徒たちは「自分たちの行動が社会や環境に影響を与える」という意識を育むことができます。

 

4. 食育と地域の再生:農家民泊で学ぶ里山の暮らしと“食”のあり方

「お茶の京都」として知られる和束町では、農家に宿泊する“農家民泊”が修学旅行の一環として提供されています。都会ではなかなか味わえない里山での生活体験は、豊かな自然に囲まれた農作業や地元の人々とのふれあいを通して、食と地域とのつながりを肌で学べる貴重な機会です。

このような体験の中で、生徒たちは食料の生産現場が直面する課題——たとえば農業従事者の高齢化や後継者の不足といった問題に触れます。また、地場産の食材を使った料理を一緒に作り、食卓を囲む時間を共有することで、「地産地消」や「食の安全」、「フードロスの防止」といったSDGsの考え方が自分事として実感されるのです。


5. 伝統と革新の融合:アップサイクル体験で循環型社会を体感

京都に根付く伝統産業——西陣織や京友禅、清水焼など——は、時代の変化とともに新たな挑戦を続けています。その一つが、廃棄されるはずの資源を再活用するアップサイクルの取り組みです。

「SPINNSアップサイクルラボ」では、ファッション業界における大量生産・消費・廃棄の現状と、それに対抗する持続可能なものづくりについて学べます。実際に古着や廃材を使ってリメイクを行うワークショップに参加することで、「捨てる」のではなく「活かす」という発想が体感を通して身につきます。これにより、持続可能な消費行動や創造的な問題解決力を育むきっかけとなります。


6. 京料理から学ぶ「もったいない」文化とSDGs

京料理体験は、ただの調理実習にとどまりません。そこには「もったいない」精神や、食材を丁寧に扱う心、日本の食文化に根付く知恵が凝縮されています。

例えば、鰹節や昆布から出汁を取る過程を学ぶことで、素材に向き合う姿勢の大切さを知ることができます。さらに、京野菜の持つ栄養や旬の価値に注目し、食材を無駄なく使い切る工夫を体験。これらはすべて、**SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」**と強く結びついています。


京都で展開されている多様なSDGsプログラムとその実践例

● 伝統工芸を通じたSDGs教育

京都の伝統工芸は、長く使い続ける文化、素材の活用、そして職人の誇りが詰まっています。こうした文化財ともいえる体験は、持続可能な社会をつくるうえで重要な要素です。

主なプログラム例:

  • 京友禅染め、和ろうそく絵付け(@京都伝統産業ミュージアム)
  • 京念珠(じゅず)作り体験

対応するSDGs目標:

  • 目標8「働きがいも経済成長も」
  • 目標12「つくる責任 つかう責任」
  • 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

活用事例:
体験で作った作品を文化祭などで展示、調査発表の材料にする学校もあります。


● 宇治茶を通じて農業・地域・文化を総合的に学ぶ

宇治では茶摘み体験に加え、お茶の栽培・流通・文化を通して、地元農業や国際流通の課題に触れられます。

プログラム例: 宇治茶の旅(茶摘み体験+探究学習)

関連するSDGs目標:

  • 目標2「飢餓をゼロに」
  • 目標8「働きがいも経済成長も」
  • 目標12「つくる責任 つかう責任」
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」

活用事例:
茶摘み後にフェアトレードや流通経路についてグループで議論し、世界と地域の課題をつなげて探究します。


● お寺の現代的役割とSDGsとの接点を学ぶ

京都の寺院では、単に歴史を学ぶだけでなく、現代社会の課題への取り組みも体感できます。

プログラム例: 西本願寺・壬生寺などでのSDGs体験

関連目標:

  • 目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
  • 目標11「住み続けられるまちづくりを」
  • 目標16「平和と公正をすべての人に」

活用事例:
僧侶が再生エネルギー事業を立ち上げた理由などを学び、地域に根ざした行動を考える契機に。


● 宿泊先でのSDGs対応実践

京都の宿泊施設でも、食品ロス削減、節水、再エネ導入などが進められており、宿泊自体が学びに。

関連目標:

  • 目標6、7、12、15など

活用事例:
チェックイン時に「SDGs行動カード」を配布、気づきを日誌にまとめて事後学習に活用する学校も。


● 地元企業との連携プログラム

京都の中小企業が参加する「京都試作ネット」などでは、技術とSDGsをつなげる学びが実現します。

関連目標:

  • 目標8、9、17など

活用事例:
企業見学後、「自分たちならどんなSDGs製品を考案するか」というアイデアソンを実施する学校も。


● その他の独自プログラム

  • 錦市場での学習: 400年の歴史を持つ市場で、食文化と持続可能なライフスタイルを体感
  • 風呂敷エコバッグ作り: 日本古来の包む文化に触れ、エコ意識を高める体験学習

修学旅行後こそ本番:学校と生徒が続けるSDGsアクション

「Q都スタディトリップ」は、修学旅行そのものが終わった後も学びを深めていくことを重視しています。京都市では、各学校が独自に取り組むSDGs活動「エコ・アクション+1」も支援。

その結果、多くの生徒たちが帰校後に「自分ごと」として行動に移しています。例として、

  • マイバッグ・マイボトルの推進
  • 節電・節水チャレンジ
  • 食品ロスを減らすプロジェクト
    など、日常生活の中で実践される小さなアクションが、大きな意識変化を生み出しています。

まとめ:SDGsを実体験できる京都修学旅行の魅力

京都でのSDGs修学旅行は、観光や娯楽ではなく「生きた学びの場」です。文化、環境、経済、地域——あらゆる要素がSDGsの文脈とつながる京都だからこそ、深く実践的な教育が可能になります。

今後の修学旅行を企画される先生方、生徒の皆さん。
京都で、自分たちの未来を考える学びの旅に出かけてみませんか?
Q都スタディトリップを通じて得られる経験は、きっと皆さんの「これから」に力強く寄り添ってくれるはずです。

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