マリナーズ永久欠番一覧
シアトル・マリナーズの永久欠番一覧:伝説の背番号たち
シアトルの誇りを背負った名選手たち
アメリカ・メジャーリーグのシアトル・マリナーズは、1977年に創設された比較的新しい球団です。しかしその短い歴史の中でも、多くのスター選手がこのチームのユニフォームを着て輝かしいキャリアを築き、球団と地域に深い影響を与えてきました。そうした選手たちの功績を称えるために設けられているのが「永久欠番」制度です。
永久欠番とは、単に背番号を使わないというだけでなく、その番号を背負った選手の存在を永遠に記憶し、敬意を表し続ける文化的儀式でもあります。マリナーズはこれまでに5人のレジェンドに対してこの名誉を授けてきましたが、2026年にはかつてのエース左腕ランディ・ジョンソンの背番号「51」も新たに加わることが発表されました。これは、すでに同じ番号がイチローに対して永久欠番として指定されていたため、**MLB史上でも極めて珍しい”ダブル永久欠番”**という形が誕生することになります。
本記事では、マリナーズがこれまでに指定してきた永久欠番を一覧で紹介し、それぞれの選手がどのような功績を残してきたのかを、できるだけ詳しく解説していきます。ファンにとっては懐かしさを、初めての方には球団の奥深い歴史を感じていただければ幸いです。
🧢 永久欠番とは?
「永久欠番(Retired Number)」とは、特定の選手が球団に対して計り知れない功績を残し、歴史に名を刻んだことを称えて、その選手が背負っていた番号を今後他の選手には使用させないという制度です。これは球団にとって最大級の敬意の表し方であり、同時に球団と選手の絆を永遠のものとする象徴でもあります。
マリナーズでは、この制度を非常に慎重に運用しており、球団のアイデンティティと深く結びついた選手にのみこの栄誉が授けられます。他球団と比べても指定数は少なく、それだけ一つひとつの背番号に込められた意味は重く、深いものとなっています。
たとえば、ニューヨーク・ヤンキースなどの球団は20以上の番号を永久欠番としてきましたが、マリナーズではまだ一桁台に留まっており、その分だけ選定の重みが際立っています。
📋 マリナーズの永久欠番一覧(2026年時点)
背番号 |
選手名 |
永久欠番指定年 |
主な功績 |
11 |
エドガー・マルティネス |
2015年 |
生涯マリナーズ、打撃職人、DHの象徴 |
24 |
ケン・グリフィー Jr. |
2016年 |
MLBのスーパースター、強打と華麗な守備 |
42 |
ジャッキー・ロビンソン |
1997年(共通) |
MLB初の黒人選手。全球団共通で永久欠番 |
51 |
イチロー |
2024年 |
日米通算4367安打、球団史上最も愛された男 |
51 |
ランディ・ジョンソン |
2026年予定 |
伝説の左腕、サイ・ヤング賞5回、1995年の英雄 |
※42番は全MLB球団で共通の永久欠番です。
※51番は2026年にイチローとランディ・ジョンソンのダブル永久欠番として正式決定予定。
🌟 各選手の詳しい紹介
🧱 エドガー・マルティネス(#11)
- プロ通算18年間すべてをマリナーズで過ごした真のフランチャイズ・プレイヤー。
- 打率.312、出塁率.418、長打率.515という驚異的な通算成績。
- 打撃専任の”指名打者(DH)”の地位を確立し、その功績によりDH賞が「エドガー・マルティネス賞」に改名された。
- ファンからは「プロフェッサー(教授)」と呼ばれ、チーム内外から尊敬される存在。
- 2019年にMLB殿堂入り。
💥 ケン・グリフィー Jr.(#24)
- 父ケン・グリフィー Sr. との親子共演も話題となったメジャー屈指のスーパースター。
- MLB通算630本塁打、13回オールスター出場。
- 華麗なジャンピングキャッチとスムーズなスイングは多くのファンを魅了。
- 1995年のALDSでは、劇的なサヨナラ勝利に貢献し、シアトルの野球熱を一気に高めた。
- 2016年、得票率99.3%で殿堂入り。
🌈 ジャッキー・ロビンソン(#42)
- 1947年、ブルックリン・ドジャースでデビューし、人種の壁を破った伝説のプレイヤー。
- 打撃、走塁、守備すべてに優れた万能型選手としても活躍。
- 毎年4月15日は「ジャッキー・ロビンソン・デー」として、全選手が#42を着用。
- 彼の勇気ある行動が、スポーツ界だけでなくアメリカ社会全体にも影響を与えた。
🇯🇵 イチロー(#51)
- 2001年にオリックスから移籍し、メジャーの壁を一気に破った日本人野手の先駆者。
- 1年目にMVPと新人王をダブル受賞、記録にも記憶にも残る鮮烈なデビュー。
- 日米通算4367安打、MLB通算262本盗塁、10年連続ゴールドグラブ受賞。
- 精密なバットコントロールと驚異的な守備範囲は、全米の解説者たちをも唸らせた。
- マリナーズ復帰後も精神的支柱として後輩を支え、2024年に背番号が永久欠番に。
⚾ ランディ・ジョンソン(#51)
- “ビッグユニット”の異名で知られる208cmの長身左腕。
- 最速160kmを超える速球と切れ味鋭いスライダーでMLB屈指の奪三振王に。
- マリナーズ時代には1995年に18勝2敗、防御率2.48を記録し、初のポストシーズン進出に導く。
- 通算303勝、サイ・ヤング賞5回、ノーヒッター2回、完全試合1回。
- 2026年にマリナーズでも永久欠番として顕彰されることに。
❓Q&Aコーナー
Q. なぜ51番が2人に与えられているの?
A. 通常、永久欠番は1人の選手に対して指定されます。しかしマリナーズにおいては、イチローとジョンソンという2人のレジェンドがともに”51″という番号を背負い、それぞれバッターとピッチャーとして球団史に名を刻みました。どちらも象徴的な存在であることから、球団は例外的に”ダブル永久欠番”として敬意を示したのです。MLB全体でも非常に珍しいケースであり、特別な栄誉とされています。
Q. 他に永久欠番候補の選手は?
A. 多くのファンが次の候補として名前を挙げるのがフェリックス・ヘルナンデス(#34)です。マリナーズ一筋で通算169勝を挙げ、2006年から2019年までチームのエースとして君臨しました。2010年にはサイ・ヤング賞を受賞し、キングス・コートと呼ばれる応援文化も生まれました。今後、彼の番号が永久欠番になる可能性は非常に高いと見られています。
Q. 永久欠番になるとどうなるの?
A. 永久欠番に指定された番号は、今後一切の選手に再使用されることがなくなります。また、マリナーズではT-Mobileパークの場内に特別な記念掲示が設けられ、該当選手の名前と背番号がファンの目に触れる形で残されます。引退セレモニーや記念イベントなども開催され、選手の功績を祝う場が設けられるのが一般的です。
✍️ まとめ
マリナーズの永久欠番に選ばれるということは、単なる栄誉にとどまらず、球団の歴史、アイデンティティ、そして地域の誇りそのものを体現する存在として認められるということです。特に、背番号”51″をめぐってイチローとランディ・ジョンソンという異なるタイプのスーパースターが並び立つ形になったことは、野球ファンにとっても語り草となる出来事でしょう。
これから先、フェリックス・ヘルナンデスをはじめとする新たなレジェンドがこのリストに加わるのか、そしてどのような背番号が次に永遠の番号となるのか、ファンの興味は尽きません。永久欠番とは数字の物語であり、同時にその数字を背負った人間の物語でもあるのです。
🧢 マリナーズの永久欠番&背番号にまつわるトリビア
🎖️ 1. MLB史上でも極めて珍しい「ダブル永久欠番」制度
- 2026年、マリナーズは背番号51をランディ・ジョンソンとイチローの両名に対して永久欠番に指定すると発表。
- 同じ背番号を2人の選手に与える永久欠番は、ヤンキースの「#8」(ヨギ・ベラとビル・ディッキー)など数例しかない。
- さらに、両者が同じチームで同じ番号を着けたうえでのダブル永久欠番は極めてレア。
- この決定は、2人の偉大さと、マリナーズにおける「51」という番号の特別な意味を示している。
🇯🇵 2. イチローの「#51」とジョンソンの関係
- イチローがマリナーズに入団した2001年、すでにジョンソンはダイヤモンドバックスに移籍していたが、マリナーズで「51」はジョンソンの象徴だった。
- それを尊重したイチローは、「他の番号にします」と申し出たが、球団とジョンソン本人が快諾。
- 以降、「51」はマリナーズの最も特別な背番号に。
- 2009年にイチローがジョンソンと対戦した際、両者の「51」対決が注目された。
⚾ 3. イチローの復帰後も「51」は空席のまま
- イチローが2012年にヤンキースへ移籍してからも、マリナーズは誰にも「51」をつけさせなかった。
- 球団側は明言していなかったものの、実質的な「準永久欠番」状態。
- 2018年に現役復帰後も同じ背番号を与えられ、正式に2024年に永久欠番となった。
💥 4. 「#24」はグリフィーJr.の象徴だが、元々は…
- ケン・グリフィーJr.以前にも「24」は複数の選手が使用していたが、彼の圧倒的な人気と実績によって「24=グリフィー」となった。
- グリフィーが2010年にマリナーズに復帰したときも「24」を再び着用。
- 2016年にグリフィーが殿堂入りを果たした直後、球団は「#24」の永久欠番化を即決。
🏆 5. MLB全体での永久欠番数と比較してマリナーズは“厳格派”
- ヤンキース:20以上の永久欠番あり(史上最多)
- レッドソックス、カージナルスも10人以上
- 対して、マリナーズは創設から40年以上経ってもわずか5人のみ(2026年現在)
- 球団の選定基準が非常に厳しく、「生涯マリナーズ」や「象徴的な貢献」が重視されている。
👑 6. フェリックス・ヘルナンデス(#34)は次の候補?
- 2005~2019年の間、マリナーズの顔としてマウンドを支え続けた「キング・フェリックス」。
- 通算169勝、2010年サイ・ヤング賞、完全試合達成。
- 彼の登板日は左外野席に「キングズ・コート(King’s Court)」が出現するなど、ファンとの強い結びつきがあった。
- 現時点で#34は他選手に使用されていないため、将来的な永久欠番化が期待されている。
📸 7. 永久欠番の番号はT-Mobileパークに掲示
- マリナーズの本拠地、T-Mobileパークの右翼側スタンド上部には、永久欠番が巨大なレタリングで掲示されている。
- 試合中にも映りこむため、球場を訪れたファンにとっては記念写真の定番スポット。
- イチローの#51が加わったことで、掲示の並びに変化が出る予定と報道されている。
📖 8. その他の豆知識
- 一部では、グリフィーとイチローの“共演”があまりなかったのが惜しいという声も(グリフィーが2010年で引退)。
- ジャッキー・ロビンソンの#42は1997年から全球団で共通欠番となっており、マリナーズとしての最初の永久欠番もこの番号だった。
- 1995年のポストシーズン進出はジョンソンとグリフィーの両方がチームを牽引。現在の永久欠番選手たちが共に輝いた年でもある。