迷惑系外国人YouTuber

近年、日本を訪れる一部の外国人YouTuberによる迷惑行為が、深刻な社会問題として注目を集めています。彼らは公共の場での非常識な行動を動画に収め、それをSNSや動画配信サイトに投稿して再生回数や注目を集めることを目的としています。その一方で、彼らの行動は日本の文化的価値観や法律を軽視したものであり、多くの市民から怒りや不安の声が上がっています。

こうした傾向は一部の視聴者の好奇心や過激なコンテンツを求めるニーズと結びついて拡大しており、再生数を稼ぐために倫理や法令を無視した行動が常態化しています。特に観光地や公共交通機関、伝統的な場所での問題行為は、日本の地域社会や観光業にも悪影響を及ぼしています。また、SNSでの拡散により、日本人や他の外国人観光客の印象も悪化させてしまうことが懸念されます。さらに、こうした行為が報道やSNSで連鎖的に模倣される恐れもあるため、教育的・制度的対応も急がれています。

迷惑系外国人YouTuberの実態

ジョニー・ソマリ（Johnny Somali）

アメリカ出身のジョニー・ソマリ（本名：ラムジー・カリド・イスマエル）氏は、2023年以降、日本国内で数多くの迷惑行為を繰り返してきました。その主な行為は以下の通りです：

• 電車内で「ヒロシマ」「ナガサキ」など、日本人を挑発するワードを大声で叫ぶ
• 建設現場や公共施設への無断侵入
• 飲食店での無断撮影および大音量での音楽再生
• 日本人女性に対する性差別的・人種差別的な発言
• 通行人へのからかいや挑発、故意に騒動を起こす演出

これらの行為により彼は警察に複数回通報され、最終的に逮捕・起訴されました。罰金20万円の有罪判決が言い渡され、その後も再犯の危険性が指摘されています。

彼の動画には「これは表現の自由だ」と擁護する声もありましたが、実際には日本の社会秩序を乱す行為であるとして大多数の視聴者やメディアから強い批判を受けました。こうした事例は、外国人観光客と日本社会の間に不信感を生む温床にもなりかねません。

フィディアス・パナヨトゥ（Fidias Panayiotou）

キプロス出身のフィディアス氏は、「ノーマネーで日本を旅する」企画を掲げ、再生数を稼ぐことを目的に以下の行為を行いました：

• 新幹線の無賃乗車を試み、その一部始終を動画に記録
• ホテルに宿泊し料金を支払わずに立ち去る食い逃げ行為
• 公共の場で路上生活を行い、それを撮影して配信

これらの行動は「日本人の優しさに甘えている」「マナーを無視している」などと批判され、国内外で大きな波紋を呼びました。彼のスタイルは「異文化体験」と称しながら、実際には挑発的・違法な行為で注目を集めるものであり、模倣例の増加も指摘されています。

ドイツ出身の若年インフルエンサー

2025年春、ドイツ出身の18歳のYouTuberが都内で以下のような迷惑行為を繰り広げました：

• JR山手線車内でスピーカーを使って爆音を鳴らし、乗客の迷惑に
• 渋谷駅構内で突如バク転を披露し、通行人を驚かせる
• スケートボードを路上で行い、車両の妨害
• 神社での無断パフォーマンス

動画の編集には「何も言われなかった」「日本人は怒らない」などのコメントが繰り返されており、無反応な様子が拡散されました。視聴者を挑発する構成が強く、SNSでも物議を醸しました。

富士急行線での迷惑パフォーマンス

2024年10月、山梨県を走る富士急行線の車内で、外国人グループが音楽とともに踊りだす騒動が起きました。周囲の乗客は恐怖を覚え、混乱が発生。鉄道会社は迷惑行為に対しガイドライン強化を表明しました。

その他の注目事例

以下は、報道やSNS上で注目を集めた迷惑行為の具体例です。いずれも、外国人観光客や配信者が日本の公共空間や文化的場面でマナーを無視した結果、多くの人々の反感や迷惑を招いたケースです。

• 韓国人YouTuber：大阪・難波の人気飲食店で、事前許可なく料理を撮影。撮影中に従業員へ無遠慮な質問を繰り返し、店側が営業妨害と見なしてトラブルに発展。SNSでは「炎上商法だ」と批判が殺到。
• オーストラリア人インフルエンサー：京都の有名神社で神聖な狛犬に登って写真を撮影。「文化財を冒涜している」として宗教団体や地元住民から非難を浴び、神社側も公式に抗議を発表。
• カナダ人グループ：東京の住宅街で深夜に路上で大声を出しながらライブ配信を実施。住民の通報により警察が出動し、現場で注意を受けるも「文化の違いだ」と主張し動画を削除せず公開継続。
• イギリス人カップル：京都・祇園にて舞妓をしつこく追いかけ、無断撮影を行う。撮影した動画を「忍耐強い日本女性」と題してYouTubeに投稿し炎上。「舞妓パパラッチ問題」として報道される。
• フランスの料理系YouTuber：東京の高級寿司店で醤油を大量にかける食べ方をわざと披露。「日本の伝統に挑戦する」と題して動画を公開したが、「ただの無礼」「食への侮辱」として大炎上。
• アルゼンチンのバックパッカー系YouTuber：築地市場の閉鎖後、立ち入り禁止エリアに侵入し「日本の廃墟探索」として撮影を強行。日本語で注意書きがあるにもかかわらず無視したと批判される。
• アメリカ人TikToker：東京の公園でハトにポップコーンを撒き続け、数百羽を集める動画を投稿。「ハトまみれチャレンジ」としてバズを狙ったが、衛生面や通行妨害の観点から通報される。
• スペイン人の若者グループ：大阪・通天閣付近で大型スピーカーを持ち込み深夜に爆音ダンスパフォーマンスを実施。周囲の観光客からは苦笑いも見られたが、地域住民からの苦情により中止を命じられた。

これらの行為は、それぞれの文化や背景を理解しないまま「ウケる」「再生数が稼げる」という目的のもと行われたケースが多く、日本社会との摩擦を深めています。

まとめと今後の課題

これらの事例に共通するのは、日本が「安全」「怒られない」「目立てる場所」として利用されているという誤解です。迷惑系配信者は法を軽視し、地域社会や他の観光客に多大な影響を与えています。

日本側は受け身になるのではなく、観光客向けのルール教育、撮影ガイドラインの徹底、そして違法行為への厳格な対応を推進する必要があります。SNSプラットフォーム側にも、迷惑行為を拡散しにくくする措置が求められるでしょう。

文化や言語の違いを尊重しながら、訪日観光の質を守るための包括的な取り組みが求められています。