「消費税が8%のもの」は、現在の日本では特例的に軽減税率が適用されている商品・サービスを指します。「飲食料品は8%」という印象が強いですが、実際には線引きが非常に複雑で、同じ“口に入れるもの”でも8%と10%で分かれることがあります。
一見すると食べ物に見えるのに10%だったり、逆に思わぬものが8%だったりすることもあり、非常に混乱しやすいポイントでもあります。本記事では、薬・健康食品・ビタミン剤・漢方薬・ペットフードなどを含め、意外な税率が適用される品目を網羅的に解説していきます。
消費税が8%のもの、つまり軽減税率が適用される代表的なカテゴリは「飲食料品」です。これは、日常的に人が飲食するためのもので、原則として8%の税率が課されます。
※ ただし**酒類(ビール、ワイン、日本酒など)は軽減対象外で10%**になります。
商品例 | 税率 | 理由 |
---|---|---|
店内で食べる牛丼やラーメン | 10% | 外食扱いになるため |
酒類(ビール・ワイン・焼酎など) | 10% | 法律上「飲食料品」に含まれない |
コンビニのイートインスペースで食べる弁当 | 10% | 消費の場所がイートインと見なされるため |
電子版新聞 | 10% | 紙媒体ではないため軽減税率の対象外 |
同じ商品でも「どこで・どのように消費するか」によって税率が異なることがあり、これが混乱の原因となっています。
たとえば同じコンビニ弁当でも、「外で食べます」と伝えれば8%、「イートインスペースで食べます」と言えば10%になるのです。この違いが分かりづらく、現場での対応が大変なケースもあります。
医薬品や健康食品は、「人の健康を保つ」という共通点があるため、消費者からすると同じように感じるかもしれませんが、実際には税率がはっきり分かれます。
商品例 | 税率 | 解説 |
パブロン、ルルなどの風邪薬 | 10% | 医薬品分類 |
ロキソニン、イブなどの解熱鎮痛剤 | 10% | 医薬品分類 |
リポビタンD、チオビタドリンクなど | 10% | 医薬部外品(薬用ドリンク)扱い |
商品例 | 税率 | 解説 |
DHC、オルビスなどのビタミン・ミネラルサプリ | 8% | 食品分類 |
青汁、酵素ドリンク、粉末タイプの栄養補助食品 | 8% | 飲料や粉末で飲食目的のため |
グミ型や錠剤型の健康食品(栄養補助) | 8% | 食べる目的で製造されている |
商品 | 税率 | 理由 |
リポビタンD、アリナミンV | 10% | 医薬部外品のため食品に該当せず |
ヤクルト、ジョア、黒酢飲料 | 8% | 清涼飲料水として食品扱い |
見た目がそっくりでも、効能や表示の違いで税率が大きく変わるという点がポイントです。
ペット関連の商品も、「人間が食べるものではないから全て10%では?」と思われがちですが、実はそうではありません。
商品 | 税率 | 理由 |
ドッグフード、キャットフード(ドライ・ウェット) | 8% | 食品分類に準ずる |
犬猫用おやつ、ビスケット、ジャーキーなど | 8% | 飲食目的の製品 |
これは農林水産省の通達に基づいており、「人の消費ではないが、飲食目的の物品」として認められています。
商品 | 税率 | 理由 |
ノミ・ダニ駆除薬(スポットオンなど) | 10% | 動物用医薬品 |
フィラリア予防薬 | 10% | 同上 |
獣医師による処方薬 | 10% | 医薬扱いで10% |
チェックポイント | 結果 | 税率 |
「医薬品」「医薬部外品」と明記 | 医薬品分類 | 10% |
食品表示・サプリメントとして販売 | 飲食料品 | 8% |
栄養ドリンクでも「清涼飲料水」表記 | 飲食料品 | 8% |
ペット用食品・おやつ | 飲食料品 | 8% |
動物用の薬品 | 医薬品分類 | 10% |
消費税の軽減税率制度は、「食べ物は8%、それ以外は10%」という単純なものではありません。実際には「医薬品か食品か」「その場で食べるのか持ち帰るのか」「対象が人か動物か」など、細かいルールによって税率が変動します。
とくに薬やサプリ、健康食品、そしてペット関連商品は混乱しやすいポイントです。日頃から購入する機会が多いため、税率の違いを理解しておくことで、節約意識や会計上の処理にも役立つでしょう。
レシートを見れば「軽」などの表記があり、8%対象の商品はすぐに確認できます。また、購入時に迷った場合は、商品のパッケージや公式サイトの記載、あるいは店舗スタッフに尋ねて確認するのが確実です。
今後、制度が見直される可能性もあるため、引き続き情報には敏感になっておくことが大切です。